Oracle Cloud 2024年10月サービスアップデート

2024年10月発表

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は、2024年10月に大規模なサービスアップデートを行いました。今回のアップデートでは、データベース、セキュリティ、生成AI、マルチクラウド対応など、多岐にわたる改善が実施されています。


1. データベース関連の新機能

Autonomous Database

  • Google Geminiのサポート:SELECT AI機能にGoogle Geminiが追加され、より多様なAIプロバイダを利用可能になりました。
  • RAG(Retrieval-Augmented Generation)のサポート:生成AIの応答精度を高め、ユーザー入力に関連するデータを自動的に検索。
  • 合成データ生成:AIモデル構築やテスト用のサンプルデータを自動生成する機能を追加。

Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure

  • バックアップとリストア機能の強化:Data Guard構成のスタンバイデータベースからのバックアップが改善され、データの冗長性をさらに高めました。

2. セキュリティ強化

Zero Trust Packet Routing

  • ネットワークとセキュリティ設定の分離により、アクセス制御を強化し、リスクを低減する「ゼロトラスト」アーキテクチャを導入。細かなネットワークセキュリティの管理が可能になり、ネットワークの安全性が向上します。

3. 生成AIとAIエージェントのアップデート

Generative AI Agent Service

  • 新たに提供された生成AIエージェントサービスにより、RAG対応の大規模言語モデル(LLM)とベクトルストア、キャッシュストアが統合され、精度の高い応答が実現。
  • Meta Llama 3.1のサポート:大規模なAIモデルであるMeta Llama 3.1に対応し、パフォーマンスが向上しました。

4. インフラストラクチャの改善

Oracle VMware Solutions

  • BM.Standard.E5シェイプ:第4世代AMD EPYCプロセッサを使用した新しいシェイプが追加され、従来比で2倍のパフォーマンスを実現。高いパフォーマンスが求められるアプリケーションに最適です。

OS Management Hub

  • 管理ステーションの改善により、ソフトウェアソースの追加と管理が容易になり、複数のアラームを同時に抑制する機能も導入されました。

5. マルチクラウド対応と分散クラウドの強化

Oracleは主要なクラウドプロバイダとの統合を強化し、マルチクラウド戦略を推進しています。

  • マルチクラウド接続:AWS、Google Cloud、Microsoft Azureとのシームレスな接続が可能になり、データ転送コストの削減や効率的な運用が可能です。
  • 分散クラウドの拡充:Oracle Database@AWS、Oracle Database@Azure、Oracle Database@Google Cloudといったクロスプラットフォームの展開がサポートされ、様々なインフラ上で最新のイノベーションを提供。

6. 追加のサービス改善

  • Databaseの削除を取り消し可能に:Autonomous Database Serverlessでは、データベース削除後の取り消しオプションが追加され、誤削除に対する安全性が向上しました。
  • 新しい動的パフォーマンスビュー:Dedicated Exadata Infrastructureにおいて、リソースのパフォーマンスをリアルタイムで監視できるビューが提供され、リソース管理がより簡単に行えます。

まとめ

2024年10月のOCIアップデートは、企業がクラウドを効率的に管理し、最新のテクノロジーを活用するための幅広い機能を追加しました。セキュリティ、生成AI、データベースの高度化、そしてマルチクラウド対応など、今回のアップデートにより、Oracle Cloudはさらにビジネスの多様なニーズに応えられるプラットフォームへと進化しています。

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