ENA ExpressがAWS GovCloud (US)リージョンに登場

2025年6月発表

はじめに

AWSは、公式にENA ExpressのAWS GovCloud (US)リージョン向け提供を発表しました。ENA Expressは、EC2インスタンス間のネットワークパフォーマンスを向上させるために特別に設計されたネットワークインターフェイスであり、スケーラブルで信頼性の高いデータグラム(SRD)プロトコルによって強化されています。この新機能は、データベースやファイルシステム、分散ストレージシステムなど、単一フローの帯域幅が大きく、末尾遅延のばらつきに敏感なワークロードにおいて、大きなメリットをもたらします。

概要

AWS GovCloud (US)リージョンにおいて、ENA Expressは、EC2インスタンス間のネットワークパフォーマンスを向上させる新たな機能です。SRDプロトコルを利用して、単一フロー帯域幅を拡大し、末尾遅延を低減します。これは、データベースや分散ストレージシステムなど、帯域幅を多用するワークロードに最適です。ユーザーは簡単な設定でこの機能を有効化でき、追加料金は発生しません。

詳細解説

SRDプロトコルの概要

ENA Expressの基盤となるSRDプロトコルは、高スループットワークロードの帯域幅拡大とネットワークパフォーマンスの向上に寄与します。このプロトコルは、AWSのNitroカードから直接提供され、多重パスやパケットの再送順序制御、混雑制御などの機能を備えています。

ENA Expressの利点

ENA Expressを利用することにより、EC2インスタンス間のより高い帯域幅を実現します。特に、高スループットを求められるデータベース操作やファイルシステム管理において、末尾遅延が軽減されることで、より迅速なデータ処理が可能になります。

設定の簡易性

ENA Expressの導入は非常にシンプルです。AWS管理コンソールまたはコマンドを利用して、簡単にSRDの有効化ができます。この設定は、同じアベイラビリティゾーンにある任意の二つのサポート対象インスタンス間で適用可能です。

利用用途・ユースケース

ENA Expressは、以下のような用途やシナリオで特に効果を発揮します。

– 高スループットを必要とするデータベースの操作と管理
– ファイルシステムの効率的な管理やアクセス
– 分散ストレージシステムにおけるデータ転送の最適化
– 低レイテンシーを要求されるリアルタイムアプリケーション

メリット・デメリット

  • メリット: 高い単一フロー帯域幅を保証し、ネットワークパフォーマンスを大幅に向上。
  • メリット: 末尾遅延の低減により、より安定したデータ処理が可能。
  • メリット: 簡単な設定で利用可能、追加コストなし。
  • デメリット: 現在、AWS GovCloud (US)リージョンのみでの提供。
  • デメリット: 一部のアプリケーション層での互換性に関する考慮が必要な場合あり。

まとめ

AWSのENA Expressは、GovCloud (US)リージョンで提供されることで、高スループットを必要とするワークロードに有効なソリューションを提供します。SRDプロトコルを活用し、より高い単一フロー帯域幅と低遅延を実現します。これにより、エンタープライズレベルのアプリケーションやデータベースのパフォーマンスが向上し、AWS利用者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。追加料金なしで利用可能な点も、導入を後押しする要因です。


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