AWS Thinkboxは、映画制作やゲーム開発、3Dアニメーション制作などの分野で、レンダリング(画像や動画の生成)、シミュレーション(動きの再現)、データ管理を効率化するためのツールセットです。制作スタジオやアーティストが、AWSのクラウドを活用して作業を加速させ、スケールさせるのに役立つサービスです。
主なツールと機能
- Deadline:レンダーファームの管理ツールです。レンダリングやシミュレーションを行う大量のコンピュータ(レンダーファーム)を一括で管理し、効率的に作業を分散処理します。クラウド上でもオンプレミスでも利用でき、必要に応じて数千のコンピュータを即座に利用可能です。
- Krakatoa:大規模なパーティクルを扱うためのツールで、ダストやスモーク、オーシャンフォームなどの自然現象をリアルにレンダリングできます。
- Frost:複数のパーティクルを結合して、複雑な形状のメッシュ(表面)を作成できるツールです。例として、液体や砂、煙の流れを形にする際に使われます。
- XMesh:アニメーションのシーンデータを高速に読み込むツールで、データ量が多いシーンの効率的な管理に役立ちます。
- Stoke:3Dパーティクルシミュレーションの作成をサポートするツールで、3ds Maxなどのアプリと組み合わせて使用されます。
メリット
AWS Thinkboxは、膨大な計算リソースを必要とするレンダリングやシミュレーションの作業をクラウド上で処理できるため、ハードウェアの購入や運用コストを抑えつつ、必要なときに迅速にスケールアップが可能です。特に、Deadlineを使って、クラウドとオンプレミスのリソースを混在させたハイブリッド環境での管理もでき、柔軟にレンダーファームを運用できます。