AWSは、AWS Resource Explorerの新機能としてAPIを通じたリソースインベントリのリスト化に対応しました。この新しい機能により、組織内のAWSリソースを一元的に管理し、効率的なインベントリ管理が可能になります。AWS Resource Explorerは、複数のAWSサービスにまたがるリソースを検索、フィルタリング、整理するためのツールであり、クラウドインフラの全体像を把握しやすくすることで、運用管理の効率化を図ることができます。APIを通じてリソースインベントリをリスト化できるようになったことで、自動化されたリソース管理や分析が一層簡単になりました。
新機能の概要
AWS Resource Explorerの新APIにより、複数アカウントやリージョンにまたがるリソースを即座にリスト化し、インベントリ管理が自動化されます。具体的には、EC2インスタンスやS3バケット、RDSインスタンスといったさまざまなリソースをAPIで一覧取得でき、ユーザーはタグや属性でフィルタリングすることで、必要なリソース情報に迅速にアクセスできます。また、APIの利用により、サードパーティ製品や社内ツールとの統合が容易になり、リソースの可視性と追跡性が向上します。
想定される利用用途
- マルチアカウント・マルチリージョン管理:複数アカウントやリージョンに分散しているリソースを一元的に管理し、クラウド資産の統合管理を実現。
- セキュリティとコンプライアンスの確認:全リソースのインベントリをリスト化し、セキュリティ要件やコンプライアンス対応状況の追跡を効率化。
- コスト管理と最適化:リソース使用状況をAPIで一覧取得し、コスト最適化のための不要リソースの特定や、使用量の分析を行う。
- 自動化による運用管理:インベントリデータをAPI経由で自動取得し、運用の自動化やアラート設定、メンテナンスの最適化に活用。
メリット
- 運用管理の効率化:API経由でリソース情報を即座に取得し、運用管理がスムーズになる。
- 全体的なリソース可視化:マルチアカウントやリージョンをまたがるリソースの可視性が向上し、資産管理が簡素化。
- コスト削減と最適化:リソースインベントリのリスト化により、不要なリソースを特定し、コスト削減の余地を見つけやすくなる。
- セキュリティ強化:セキュリティ要件やコンプライアンス対応の確認が容易になり、全体のリスク管理が向上。
デメリット・課題
- 初期設定と学習コスト:APIの設定や使い方の習得には専門的な知識が必要で、初期導入に時間を要する可能性がある。
- コストの増加:APIの使用量が増えるとコストがかさむ可能性があるため、コスト管理が必要。
- データの整理と管理:大量のリソース情報がインベントリに含まれるため、情報の整理と管理が求められる。
- 依存性の増加:AWSのAPIに依存することで、AWS外でのシステム連携が難しくなる場合がある。
まとめ
AWS Resource ExplorerのAPIによるリソースインベントリリスト化機能により、クラウドリソースの管理がさらに効率化されました。これにより、マルチアカウントやマルチリージョンにまたがるリソースの可視性が向上し、セキュリティやコンプライアンスの強化、コスト管理の最適化が実現されます。初期設定の手間やデータ整理といった課題もありますが、企業にとって効率的なクラウド資産管理のための強力なツールとなるでしょう。
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