はじめに
AWSは日々進化を続けており、これに伴い費用の計算も複雑になることがあります。費用計画を効果的に行うためには、正確なコスト予測が重要です。AWSはこのたび、AWS Pricing Calculatorの一般提供をAWSコンソールで開始しました。このツールは、ワークロードの費用見積もりやAWS全体の請求見積もりを含む、より正確で包括的なコスト見積もりを生成することが可能です。詳細なコスト分析と効率的な共有を促進するこのツールについて、詳しく見ていきましょう。
概要
AWS Pricing Calculatorは、AWSコンソール内で利用可能になったコスト見積もりツールです。これによりユーザーは、ワークロードのコストとAWS全体の請求をより正確に推定することができるようになりました。新しい機能には、既存の割引や購入コミットメントの影響を含んだレート構成が追加されており、ユースケースに基づいたより現実的なコストシナリオの分析が可能です。また、利用履歴のインポートや新規利用のシミュレーションもできます。
詳細解説
割引と購入コミットメントの影響
今回のアップデートでは、割引や購入コミットメント(例としてSavings PlansやReserved Instances)を含むレート表示が可能になりました。これにより、既存の契約がコストにどのように影響を与えるかをより明確に把握できます。
ワークロード見積もりのエクスポート機能
ワークロード見積もりは、CSVおよびJSON形式でエクスポートが可能です。これにより社内の財務計画ツールとの統合や、関係者間での共有が効率良く行えます。
利用履歴の活用
既存の利用履歴をインポートすることで、より現実的な費用見積もりが可能になりました。これは、新規の利用をシミュレーションする際にも役立ちます。
利用可能なリージョン
新しいAWS Pricing Calculatorは、中国を除く全てのAWS商用リージョンで利用可能です。
利用用途・ユースケース
AWS Pricing Calculatorは以下のようなユースケースで利用可能です:
– 全体的なAWSコストの把握と最適化
– 予算編成や費用計画の策定
– 複数プロジェクトの費用比較
– コスト削減策のシミュレーション
メリット・デメリット
- メリット: より正確なコスト見積もりが可能
- メリット: 割引およびコミットメントの影響を考慮した現実的なシナリオ分析
- メリット: 見積もりのエクスポートが容易で、内部システムとの連携がしやすい
- デメリット: 中国リージョンでは利用不可
まとめ
AWS Pricing Calculatorのアップデートは、AWSのコスト管理における重要な進化を示しています。既存の割引や購入コミットメントを考慮したレート表示が可能になり、ユーザーにとってより実現性のあるコストシナリオの構築が行いやすくなりました。複雑化するAWSサービス群に対して、このツールは効率的なコスト管理と最適化を支援する強力な味方となるでしょう。新機能を活用し、AWS費用の管理をさらに効果的に行ってみてください。
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