はじめに
2025年5月、AWSはAWSコンソール内でAWS Pricing Calculatorの一般提供を開始しました。これにより、ユーザーはより正確で包括的なコスト見積もりを作成できるようになります。このアップデートは、ユーザーがワークロードとAWS全体の請求の2つの形式でコストを見積もることを可能にし、既存の使用状況をインポートしたり、新規使用量をゼロから作成したりすることができます。さらに、割引と購入コミットメントを考慮した、新しいレート設定オプションが追加され、ユーザーがコスト最適化をより明確に理解する助けとなります。
概要
AWS Pricing Calculatorの一般提供は、多様なレート設定を導入し、コスト最適化の可能性をユーザーに提示するものです。新たに加わった割引および購入コミットメントに基づくレート設定は、Savings PlansやReserved Instancesなどの既存の購入コミットメントの影響を受けたユーザーに特に有用とされています。さらに、CSVとJSON形式でのワークロード推定値のエクスポート機能が追加され、内部の財務計画ツールとの統合が容易になりました。
詳細解説
新たなレート設定
AWS Pricing Calculatorは、割引と購入コミットメントを反映した見積もりを提供します。この設定により、ユーザーは物理および仮想リソースの割引価格を含めた総AWSコストをより具体的に把握できます。具体的には、Savings PlansやReserved Instancesなどの長期契約によるコスト削減を見積もりに含めることができます。
見積もりのエクスポート機能
AWSはユーザーがPricing Calculatorから見積もりを直接エクスポートできる機能を提供しています。CSVおよびJSON形式でのエクスポートが可能となりました。これにより、企業は見積もりデータを内部の予算策定ツールと統合し、詳細なコスト分析を行うことが可能です。
広範な地域での利用可能性
この改良版のPricing Calculatorは、商用のAWSリージョンすべてで利用可能です。ただし、中国リージョンは除かれています。この広範な利用可能性により、グローバルにビジネスを展開する企業も瞬時にこれらの機能を活用できるようになっています。
利用用途・ユースケース
AWS Pricing Calculatorの新機能はさまざまなシナリオで活用できます。企業は長期的なコストシナリオを試算し、最適な購入オプションを選択するための意思決定をサポートします。特に、複雑なAWSインフラストラクチャを持つ企業は、実際のコストの見通しを把握しやすくなるでしょう。
メリット・デメリット
- メリット:
- 割引と購入コミットメントの影響を見積もりに反映できるため、正確なコスト見積もりが可能。
- 見積もりのCSVおよびJSONエクスポート機能により、さらなる財務分析やレポート作成が容易。
- グローバルに商用リージョンを対象としているため、幅広いユーザーが利用可能。
- デメリット:
- 中国リージョンでは利用不可。
- 新機能に慣れるまでには学習が必要かもしれない。
まとめ
AWS Pricing Calculatorの一般提供開始によって、より正確で洞察に富んだコスト見積もりが可能になりました。割引と購入コミットメントを見積もりに反映する新機能は、コスト最適化を目指す企業にとって貴重なツールとなります。地域の広範囲カバーと簡単なデータエクスポートも魅力的であり、多くの組織にとって便利な追加機能と言えるでしょう。これらのメリットは、企業の財務計画プロセスをより効率的にし、コスト意識の高い運用への貢献に役立ちます。
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