AWS Outpostsで外部ストレージアレイからのAmazon EC2インスタンス起動サポート開始
はじめに
AWS Outpostsに新しい機能が追加され、Amazon EC2インスタンスを外部ストレージアレイから起動することが可能になりました。この機能により、NetAppやPure Storageのようなオンプレミスのエンタープライズストレージアレイを利用して、EC2インスタンスのブートボリュームを作成できるようになり、より柔軟なストレージ活用が可能となります。この記事では、この新機能の詳細、活用方法、メリットについて詳しく解説します。
概要
AWS Outpostsはクラウドの利点とオンプレミスのインフラを組み合わせたハイブリッドソリューションを提供します。今回のアップデートにより、AWS Outpostsで動くEC2インスタンスに対して、外部ストレージアレイを使用したブートが可能となりました。サポートされるプロトコルには、iSCSI、NVMe-over-TCPが含まれており、認証された暗号化ボリュームも使用できます。
詳細解説
外部ストレージを使用したブートの利点
この新しい機能により、企業は既存のストレージインフラを一層有効に活用することが可能です。これによってデータレジデンシー要件を満たしつつ、AWSのクラウドモデルの運用管理を享受できます。
iSCSIとNVMe-over-TCPのサポート
外部ストレージアレイを介したブートは、iSCSI及びNVMe-over-TCPの両プロトコルをサポートしています。このため、異なるネットワーク構成やストレージ管理のニーズに柔軟に対応できます。
セキュリティとパフォーマンス
これは認証された暗号化ボリュームで動作するため、企業レベルのセキュリティを確保できます。さらに、高速なデータアクセスを可能とすることで、パフォーマンスの低下を招くことなく、安定した運用が見込まれます。
導入の容易さ
AWSは、自動化スクリプトを提供し、この新機能のセットアップを簡単にします。これにより、ユーザーは多くの専門知識を必要とせず、迅速に利用を開始できます。
利用用途・ユースケース
– 既存のオンプレミスストレージを利用してEC2インスタンスを運用したい企業
– データレジデンシー要件を遵守しながら、AWSのクラウド技術を活用したいケース
– iSCSIやNVMe-over-TCPといったプロトコルを活用したいと考える企業
メリット・デメリット
- メリット
- 既存ストレージアレイの効果的な活用
- 柔軟かつセキュアな運用の可能性
- AWSの自動化スクリプトによる簡素化されたセットアップ
- デメリット
- 依拠するストレージインフラの管理・保守が必要
- 特定のプロトコルに限定される使用場面がある
- 初期設定における学習曲線の存在
まとめ
AWS Outpostsの新しい機能は、既存技術を活用しつつ新たなクラウド運用の可能性を広げています。このアップデートにより、外部ストレージアレイからのEC2インスタンス起動が可能になり、効果的なデータ運用と管理の向上を実現します。セキュリティとパフォーマンスを保ちながら、簡易な導入プロセスを提供しているため、多くの企業にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
考察
この新機能は、AWS Outpostsの利用を検討している多くの企業にとって大きなメリットをもたらします。オンプレミスのストレージ投資を最大限に活用しつつ、AWSの運用モデルを取り入れることで、運用効率と柔軟性が向上します。しかし、一方で、新たな導入や管理に伴う学習曲線を乗り越える必要もあります。この点をしっかり検討することで、より良い運用が期待できます。
–
–
