AWS OrganizationsによるIAMポリシー言語の完全サポートでSCPが進化

2025年9月発表

AWS OrganizationsによるIAMポリシー言語の完全サポートでSCPが進化

はじめに

AWSは2025年9月、AWS Organizationsサービスにおいてサービスコントロールポリシー(SCP)を強化し、IAMポリシー言語のフルサポートを開始しました。これにより、SCPの作成がより柔軟で詳細に行えるようになります。この強化によって、組織全体での厳格なアクセス制御やリソース管理が可能となり、より複雑なシナリオにも対応できるようになります。本記事ではこれらの新機能の概要と詳細について解説し、実際のユースケースやメリットについても考察します。

概要

AWS Organizationsは、AWSアカウントの配下にあるリソースを一元管理するためのサービスです。今回のアップデートで、サービスコントロールポリシー(SCP)はIAMポリシー言語の完全サポートを受け、条件の利用や個別リソースARNs、Allow文でのNotAction属性などが使えるようになりました。また、Action要素文字列の先頭や中間でのワイルドカード使用、NotResource要素もサポートされています。この実装により、SCPをより精密で簡潔に書くことが可能になり、組織全体にわたる高度なアクセス許可ガードレールを設定できるようになります。

詳細解説

IAMポリシー言語の完全サポート

AWS Organizationsはこれまで以上に強化されたSCPによって、IAMポリシーと同様に柔軟性を持たせたアクセス制御が可能です。具体的には、条件文を利用し特定のリソースへのアクセスを制限したり、NotAction属性を用いて特定のアクションのみを許可するような設定が可能です。

ワイルドカードとNotResourceの利用

新たに、Action要素の先頭や中間でワイルドカードを使用できるようになりました。これにより、複数のアクションを柔軟に指定でき、細かい制御が可能となります。さらにNotResourceもサポートされ、排他的にリソースを管理するシナリオでの活用が期待されます。

利用用途・ユースケース

このアップデートは以下のような場面で特に効果を発揮します:

– 法的またはコンプライアンス要件に基づいたアクセス制限の設定
– 組織内の各部門ごとに異なるアクセス権を柔軟に適用
– 特定のリソースに対するアクセス制御戦略の強化
– コスト管理のためのアクセス制限の詳細化

メリット・デメリット

  • メリット
    • ポリシーの記述が簡潔で容易に
    • バックワード・コンパチビリティの維持により既存SCPの再編集不要
    • アクセス制御の精度と柔軟性の向上
  • デメリット
    • ポリシー作成の複雑さが増す可能性
    • 間違った設定によるアクセス制御の失敗リスク

まとめ

AWS OrganizationsにおけるSCPの強化は、IAMポリシー言語の機能を取り入れることで、組織全体のアクセス制御を一層強化する動きの一部です。これにより、リソースへのアクセスを柔軟且つ精密にコントロールすることが可能となり、企業はコンプライアンスやコスト管理の観点で大きなメリットを享受できます。さらなるアップデートに期待が寄せられます。

考察

今回のAWS OrganizationsにおけるSCPの強化は、AWSユーザーにとって非常にポジティブな変化と言えます。これにより、各企業が抱える個々のセキュリティ要件をより簡単にかつ効果的に満たすことが可能になります。ただし、新たな機能を活用する際には、ポリシー設定の複雑化による人的エラーを予防するための考慮が必要です。


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