AWS Network Firewallが複数VPCエンドポイントのサポートを追加

2025年5月発表

はじめに

AWS Network Firewallに新たな機能が追加され、これにより複数のVPCエンドポイントを1つのファイアウォールに設定することが可能になりました。このアップデートは、ネットワークファイアウォールの展開をよりスケーラブルにし、複数のAmazon Virtual Private Cloud (VPC) にわたって一元化されたセキュリティポリシーを維持することを容易にします。本記事では、この新機能について詳しく解説し、その利用方法やメリットについても触れていきます。

概要

AWS Network Firewallは、完全に管理されたクラウドネイティブなファイアウォールサービスであり、Amazon VPC全体で必要なネットワーク保護を簡単に展開できるようにします。このたび追加された複数VPCエンドポイントのサポートにより、1つのファイアウォールで最大50のVPCエンドポイントを各アベイラビリティゾーン内で関連付けることが可能になりました。これにより、ファイアウォールを通してのトラフィックのルーティングがより効率的になり、運用の複雑さを軽減し、コストを削減することができます。この新機能は、AWS Network Firewallが利用可能なすべてのリージョンでサポートされています。

詳細解説

ファイアウォールとVPCエンドポイントの連携

AWS Network Firewallは、VPCサブネット内に展開され、VPCエンドポイントを通じてファイアウォールに安全な接続を提供します。この新機能により、1つのファイアウォールに複数のVPCエンドポイントを簡単に設定でき、異なるVPC間での通信を一元的に管理できます。

セキュリティポリシーの一元管理

複数のVPCエンドポイントを持つことで、セキュリティポリシーを一元管理することが可能になります。これにより、各VPCごとに個別のポリシー設定を行う必要がなく、一括でのポリシー適用が簡単になります。

展開のスケーラビリティとコスト削減

最大50のVPCエンドポイントを各アベイラビリティゾーンでサポートすることで、AWS Network Firewallの展開がよりスケーラブルになります。また、複数のファイアウォールを個別に設定する場合に比べて、コストを削減することができます。

利用用途・ユースケース

AWS Network Firewallの複数VPCエンドポイントのサポートは、特に以下のようなユースケースで有用です。

– セキュリティとコンプライアンスの厳しい環境で、複数のVPC間の通信を一元的に管理したい場合。
– 複数のアプリケーション環境を持つ企業が、アプリケーション間のデータの流れを集中管理したい場合。
– 大規模なマルチVPCネットワークを使用している際の通信トラフィックとセキュリティポリシーの一元管理。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • 管理の一元化により、ネットワークポリシーの適用が簡素化。
    • スケーラブルな展開が可能であり、コスト効率が良い。
    • セキュリティポリシーの一括管理により、複雑な環境でも統制が取りやすい。
  • デメリット:
    • 設定と運用にはある程度のAWSネットワークの知識が必要。
    • 初期設定時に複数のVPCエンドポイントの設計を慎重に行う必要がある。

まとめ

AWS Network Firewallの新機能により、複数のVPCエンドポイントを1つのファイアウォールに統合することが可能になり、ネットワークのセキュリティポリシーの管理がより効率的になりました。このアップデートは、企業のIT部門にとってネットワーク保護のスケールアップとコスト削減を実現する重要な要素となるでしょう。多くのVPCを管理する必要がある組織にとって、大きな利便性をもたらすことが期待されます。


タイトルとURLをコピーしました