AWS Marketplaceに組織全体の契約と支出の統合ビュー機能が追加:購買管理とコスト把握の効率化が実現

2024年10月発表

AWSは、AWS Marketplaceにおいて、企業全体での契約状況や支出を一元管理するための組織全体ビュー機能を発表しました。この新機能により、企業は複数のアカウントにまたがるソフトウェア購入契約や支出をAWS Marketplace上で一括して管理できるようになり、購買活動の透明性と効率性が大幅に向上します。ITチームや財務部門にとって、クラウド上の支出と契約状況をリアルタイムで確認しやすくなるため、コスト管理の最適化や予算管理がよりスムーズに行えるようになります。特に、企業全体で複数のクラウドサービスを利用している場合や、部署ごとにソフトウェアが異なる場合に、この機能が役立つでしょう。


新機能の概要

AWS Marketplaceの組織全体ビュー機能は、AWS Organizationsと統合されており、組織内の全アカウントでの契約状況や支出データを一括で閲覧・管理できます。これにより、各アカウントで個別に支出や契約内容を確認する必要がなくなり、管理者は集中して全体像を把握することが可能です。また、ユーザーは、特定のソフトウェアやサービスの利用状況を詳細に追跡し、契約の更新やコストの増減を把握できるため、無駄な支出を削減し、予算の最適化に役立ちます。この機能は、AWS Management Consoleから簡単にアクセスできるため、使いやすさも向上しています。


想定される利用用途

  1. 企業のクラウド購買管理:IT部門が複数のAWSアカウントにわたる支出と契約を一元管理し、不要なサービスや契約の見直しに活用。
  2. 財務部門での予算管理:クラウド支出を正確に把握し、予算内でのクラウド利用を促進するため、支出状況をリアルタイムで追跡。
  3. 部署ごとのコスト配分:各部署が利用するAWSリソースやソフトウェアの支出を詳細に把握し、コスト配分や予算調整に役立てる。
  4. 契約更新と支出最適化:全アカウントでの契約更新のタイミングを一元的に確認し、更新判断や支出の最適化に役立てる。

メリット

  1. コストの見える化:全アカウントにわたる支出と契約情報が統合されるため、無駄な支出を把握し、効率的なコスト管理が可能。
  2. 購買活動の効率化:契約状況の一元管理により、契約更新や削減対象を即座に特定でき、購買活動が簡素化。
  3. 透明性の向上:財務部門が予算超過の要因を迅速に把握でき、より戦略的な予算管理が実現。
  4. AWS Marketplaceとのスムーズな統合:AWS Marketplaceのリソース利用状況や契約情報をAWS Management Console上で容易に管理可能。

デメリット・課題

  1. 初期設定の手間:組織全体のアカウントを統合して管理するため、初期設定や導入時の手間が発生する可能性がある。
  2. データ量の増加による管理負担:全アカウントの支出と契約情報を一括管理するため、管理データの量が多くなり、負担が増加。
  3. アカウントの統合リスク:複数のアカウントを一元管理することで、権限管理の失敗やデータ漏洩リスクが高まる可能性がある。
  4. 学習コストの発生:AWS Organizationsとの統合や新しい管理機能の操作に関して、管理者が新しい知識を習得する必要がある。

まとめ

AWS Marketplaceの組織全体ビュー機能により、企業は複数アカウントにまたがる契約と支出を一元管理でき、購買管理や予算の透明性が大幅に向上します。IT部門や財務部門がリアルタイムでコスト状況を確認しやすくなり、無駄な支出の削減や予算の最適化を支援します。初期設定やデータ管理の負担はあるものの、特に大規模なクラウド環境を持つ企業や多くのソフトウェア契約が必要な組織にとって、非常に有益なツールとなるでしょう。

詳細は公式ページをご覧ください。

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