AWSは、**Application Load Balancer(ALB)**における新しい機能、Load Balancer Capacity Unit(LCU)予約をリリースしました。このアップデートにより、予測可能なキャパシティプランニングが可能となり、特に変動するトラフィックを扱うアプリケーションでの効率性が向上します。
Load Balancer Capacity Unit(LCU)とは?
LCUは、Application Load Balancerの使用量を測定するユニットで、以下の要素に基づいて計算されます。
- ルール評価:トラフィックがロードバランサールールに従って評価された回数。
- リクエスト数:受信リクエストの総数。
- データ転送量:アウトバウンドデータ転送量。
- 保守的なスケーリング:セッションの持続的な接続管理。
新たに導入されたLCU予約機能では、指定したキャパシティを事前に予約し、使用量に基づく課金を制御できます。
主な特徴
1. 予測可能なコスト管理
- LCUの予約により、コスト予測が簡単になります。
- 突発的なトラフィック増加によるコストの上昇を抑制。
2. スケーラブルなキャパシティ
- 需要に応じたスケーラブルなロードバランサー運用が可能。
- 高トラフィックが予想されるイベントに対応しやすくなる。
3. 運用の効率化
- トラフィックパターンを事前に分析し、最適なキャパシティを予約可能。
- 自動スケーリングと組み合わせることで、リソース効率を最大化。
想定される利用用途
1. 高トラフィックのイベントやキャンペーン
ブラックフライデーやサイバーマンデーのようなイベントでの急激なアクセス増加に対応。
2. リアルタイムアプリケーション
チャットアプリやゲームサーバーなど、一定のキャパシティを維持しながら、リアルタイムでの負荷分散が必要なシステム。
3. Eコマースプラットフォーム
安定したパフォーマンスを確保するためのトラフィック予測に基づく予約。
4. クラウドネイティブアプリケーション
マイクロサービスアーキテクチャでの動的トラフィックに対応。
メリット
1. コスト管理が容易
- 事前に予約することで予測可能な請求が可能。
- 無駄なリソース使用を抑え、コスト最適化が進む。
2. 安定したパフォーマンス
- 必要なキャパシティが事前に確保されるため、予期しないトラフィック急増にも対応可能。
3. 柔軟性とスケーラビリティ
- AWSのスケーリング機能を活用しながら、予約による安定性も確保。
4. クラウドコストの透明性
- 請求内容を簡単に追跡可能。
デメリット
- 初期設定の手間
- トラフィック予測を正確に行い、適切な予約量を設定する必要がある。
- 過剰予約のリスク
- 必要以上のリソースを予約した場合、リソースの無駄が発生する可能性。
- 低トラフィック時のコスト増
- 実際のトラフィックが予約量を下回る場合、不要なコストが発生する可能性。
詳細情報
LCU予約機能の詳細については、公式ページをご覧ください: 公式ページはこちら