AWS IAM Identity Centerでのカスタマー管理KMSキーによる暗号化サポート

2025年9月発表

AWS IAM Identity Centerでのカスタマー管理KMSキーによる暗号化サポート

はじめに

AWS IAM Identity Center(以前のAWS Single Sign-On)が、組織インスタンスでカスタマー管理のAWS Key Management Service (KMS)キーを使用してデータを暗号化できるようになりました。これにより、ユーザーは組織データのアクセス制御をより細かく管理でき、セキュリティおよびコンプライアンスの機能が強化されます。この新機能は、特に高度なセキュリティが求められる環境で重要な影響をもたらすことでしょう。

概要

AWS IAM Identity Centerでは、顧客が管理するAWS KMSキーを使用して、ユーザーとグループの属性を含むアイデンティティデータを暗号化することができるようになりました。これまで、AWS所有のキーがデフォルトで使用されていましたが、カスタマー管理キー(CMK)のサポートにより、データへのアクセス管理が強化されます。この機能は、引き続きAWSが提供するIAM Identity Centerの利便性を犠牲にすることなく、追加のセキュリティ層を提供します。

詳細解説

CMKによるセキュリティ強化

デフォルトではAWS所有のキーが使用されますが、CMKを使用することで、ユーザーは鍵のライフサイクルや使用権限を自分で管理できます。これにより、特定のアクセスニーズやセキュリティポリシーに合わせた細かな制御が可能になります。

IAM Identity Centerの役割

IAM Identity Centerは、AWSアカウントやアプリケーションのアクセス管理を一元化することで、組織のアイデンティティ管理をサポートします。今回のCMKサポートにより、ユーザーはアクセス管理におけるセキュリティをさらに強化できます。

新機能の利用方法

CMKは、新しい組織インスタンスの有効化時や既存のインスタンスで設定可能です。また、AWS CloudTrailを使用して、CMKを利用したアイデンティティデータアクセスのモニタリングおよび監査を行うこともできます。

料金と利用可能範囲

この機能は、IAM Identity Centerが利用可能なすべてのAWSリージョンで提供されており、通常のAWS KMSの料金が適用されます。ただし、IAM Identity Center自体は追加コストなしで利用可能です。

利用用途・ユースケース

– 複数のAWSアカウントやアプリケーションにわたり、セキュアで一元化されたアイデンティティ管理が必要な企業。
– 法的または規制の要件により、厳密なデータアクセス管理が要求される組織。
– 内部コンプライアンス基準を満たすために、高度なセキュリティポリシーを実施する必要がある環境。

メリット・デメリット

  • メリット:
  • カスタマー管理によるきめ細かいアクセスコントロールが可能。
  • セキュリティおよびコンプライアンス上の強化。
  • AWSの他のサービスとのスムーズな統合。
  • デメリット:
  • カスタムキーの管理に伴う追加の管理作業。
  • KMSの使用には追加コストが発生する可能性。

まとめ

AWS IAM Identity Centerの新しい機能は、組織のアイデンティティデータ管理をより安全で制御可能なものにします。カスタマー管理KMSキーのサポートにより、ユーザーはデータのアクセス管理をより具体的に制御し、セキュリティ基準を高めることができます。AWSが提供する一貫性のあるクラウドサービスを活用しながら、この機能はビジネスにおいて最適なソリューションを提供し続けます。

考察

この新機能は、セキュリティとアクセス管理が特に重要視される業界で大きなインパクトを与える可能性があります。例えば、金融機関や医療機関などのプレイヤーは、より精細なアクセス制御を必要としており、カスタマー管理キーによる管理が必須です。AWSユーザーにとって、キー管理の責任が増える一方で、この機能は組織全体のコンプライアンスとセキュリティ管理を一層強化する手段となるでしょう。


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