AWS GlueによるリモートApache Icebergカタログの連携機能の一般提供開始
はじめに
AWS Glueは、リモートApache Icebergカタログへの連携機能を一般提供開始しました。この機能により、Amazon S3に保存されたIcebergテーブルに直接・安全にアクセスできるようになり、データの移動やコピーを行わずにリモートIcebergテーブルをクエリすることが可能になります。このブログ記事では、新機能の概要や詳細、その利用用途、メリット・デメリットについて解説します。
概要
AWS Glueのカタログ連携機能は、リモートのIcebergカタログへのアクセスを容易にし、AWSの分析エンジンを使用してリモートIcebergテーブルをクエリ可能にするものです。この機能はAWS Glue Data Catalogとリモートカタログ間でメタデータをリアルタイムで同期させるため、最新のクエリ結果を得ることができます。AWS Lake Formationと統合され、細かいアクセスコントロールやクロスアカウント共有を提供します。
詳細解説
カタログ連携機能の仕組み
カタログ連携機能は、AWS Glue Data Catalogとリモートカタログ間で、Iceberg REST仕様をサポートするカタログ実装に基づいて動作します。この連携は、Amazon RedshiftやAmazon EMR、Amazon Athena、AWS Glue、さらにApache SparkやAmazon SageMakerのようなサードパーティの分析エンジンでも利用可能です。
アクセス制御とセキュリティ
AWS Lake Formationを利用することで、細粒度のアクセスコントロールが可能となり、データコンシューマーへのクラスアカウント共有や信頼できるアイデンティティ伝播がサポートされます、これによりセキュアな環境でデータの発見やクエリが可能です。
利用手順と対応リージョン
AWS GlueとLake Formationのコンソール、SDKs、APIsを通じて、この機能を有効化できます。この機能はAWS GlueとLake Formationが利用可能なすべてのAWS商用リージョンで利用可能です。コンソール内の簡単な操作で、リモートカタログに連携し、そのデータベースやテーブルを発見し、テーブルデータへのアクセス許可を与えて、AWSの分析エンジンでリモートIcebergテーブルをクエリ可能です。
利用用途・ユースケース
リモートIcebergカタログへの容易な連携によって、企業内や組織間でのデータシェアリングが促進されます。例えば、データレイク環境での効率的なデータクエリ、データウェアハウスとBIツールを用いたリアルタイムデータ分析、複数のクラウドやアカウントにまたがったデータガバナンスを確立する場合などに役立ちます。
メリット・デメリット
- メリット
- リモートデータへの安全で迅速なアクセス
- リアルタイムなデータ分析と最新のクエリ結果
- アクションにつなげる洞察を得るための効率的な価格性能
- 細かいアクセス制御が可能
- デメリット
- 新しい設定や統合に対する初期学習コスト
- 実装にはIceberg REST仕様をサポートする必要がある
まとめ
リモートApache Icebergカタログへの連携機能を提供するAWS Glueは、企業や組織のデータ管理と分析能力を大幅に向上させるポテンシャルを持っています。細かいアクセスコントロールを維持したまま、リモートデータへの簡単なアクセスを可能にし、最新のデータをリアルタイムで分析することができるこの機能は、現代のビジネス環境において非常に役立つものです。
考察
今回のAWS Glueによる機能強化により、AWSユーザーはデータのシームレスな統合と分析が可能になり、迅速なデータ駆動意思決定をサポートします。一方で、機能を最大限に活用するためには新しい技術仕様や設定への習熟が求められるため、初期導入段階での学習コストを十分に考慮する必要があります。
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