AWS Firewall ManagerがAWS WAF L7 DDOS管理ルールをサポート開始
はじめに
AWS Firewall Managerが新たにAWS WAFのアプリケーション層(L7)DDoS保護をサポートすることを発表しました。この発表は、クラウド上のアプリケーションをより効果的に保護するためのセキュリティポリシーの強化を目指しています。AWS WAFのL7 DDoS保護は、Amazon CloudFrontやApplication Load Balancer (ALB) などのAWSサービスでの自動検出と軽減を可能にします。本記事では、この新機能の詳細とその利点について解説し、どのようなユースケースで活用できるのか考察していきます。
概要
AWS Firewall Managerは、新たにAWS WAFを通じてアプリケーション層(L7)のDDoS保護をサポートし始めました。この機能は、AWS Managed Ruleグループとして提供され、DDoS攻撃を自動的に検出して軽減します。今回の機能追加により、クラウドセキュリティ管理者やサイト信頼性エンジニア(SRE)は、ルールの手動設定と管理の負担を軽減しつつ、アプリケーションをより効率的に保護することが可能になります。
詳細解説
AWS WAFのアプリケーション層(L7)DDoS保護とは
AWS WAFのL7 DDoS保護は、ウェブアプリケーションに対するDDoS攻撃を防ぐための自動化されたソリューションです。クラウドインフラストラクチャ上で動作するアプリケーションに対して、攻撃の検出と軽減をシームレスに行います。このプロセスはほとんど手動の介入を必要とせず、管理者にとって非常に重要な時間の節約を可能にします。
Firewall Managerとのインテグレーション
AWS Firewall Managerは、複数のAWSアカウントやリソースにわたる一貫したセキュリティポリシーの実装を支援しています。新たに追加されたL7 DDoS保護機能を使用することで、ユーザーは非HTTPベースの脅威からウェブサイトインフラ全体を保護するための包括的なセキュリティポリシーを提供できます。これにより、ウェブサイトの技術スタック全体を考慮し、必要なすべての保護を定義および展開することが可能です。
利用用途・ユースケース
この新機能は、さまざまな業界や規模の企業が利用可能です。具体的なユースケースとしては、以下のようなものが考えられます。
– Eコマースプラットフォーム: 巨大なトラフィックを扱うサイトでは、L7 DDoS保護によりサービスを維持し、ユーザーエクスペリエンスを管理します。
– メディアストリーミングサービス: 高品質なストリーミングを提供し続けるために、高度なセキュリティ保護が必要です。
– 金融サービス: 機密データを扱うサービスは、DDoS保護を通じて信頼性とセキュリティを強化します。
メリット・デメリット
- メリット
- 運用負担の軽減: 自動化されたDDoS保護により、手動管理の負担が減少します。
- 広範囲な保護: 多様なインフラストラクチャを包括的に守ります。
- 即時適用: 新しいセキュリティポリシーが迅速に実装されます。
- デメリット
- 地域制限: 特定の地域では未対応があります(例: アジア太平洋(タイ)、メキシコ(中央)、中国(北京および寧夏))。
- コスト: 高度なセキュリティ機能に対する追加コストが発生する可能性があります。
まとめ
AWS Firewall Managerの新機能、とりわけL7 DDoS保護の導入は、クラウドベースのアプリケーション保護における新たな段階と言えるでしょう。拡張性とセキュリティの両立を求める企業にとって、この発表は重要な選択肢を提供します。さらに、全体としてAWSインフラ全体の保護を強化することが可能になるため、潜在的な攻撃のリスクを大幅に軽減することが可能です。
考察
今回の発表は、クラウドセキュリティの強化に関心を持つAWSユーザーにとって非常に有益です。特に、手動での設定が煩雑だったDDoS保護の一部が自動化され、運用効率が向上します。ただし、特定の地域での利用制限には注意が必要です。また、高度なセキュリティ機能によるコストの増加についても事前に考慮しておくべきでしょう。
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