AWS EC2新インスタンス「C8gn」が米国西部(北カリフォルニア)で利用可能に

2025年8月発表

AWS EC2新インスタンス「C8gn」が米国西部(北カリフォルニア)で利用可能に

はじめに

AWSは、最新のGraviton4プロセッサを搭載したAmazon EC2 C8gnインスタンスを米国西部(北カリフォルニア)リージョンで利用可能にしたことを発表しました。C8gnインスタンスは、Graviton3ベースのC7gnインスタンスと比較して、最大30%のコンピューティングパフォーマンス向上を提供し、ネットワーク最適化されたEC2インスタンスの中で最も高い600 Gbpsのネットワーク帯域幅を特徴としています。このリリースにより、ネットワーク仮想アプライアンスやデータ分析、AI/ML推論のようなネットワーク集約型ワークロードのパフォーマンスをさらに向上させることができます。

概要

今回の発表では、AWSの最新世代プロセッサであるGraviton4を搭載したAmazon EC2 C8gnインスタンスが米国西部(北カリフォルニア)リージョンで利用可能になったことがメインテーマです。C8gnはGraviton3ベースのC7gnインスタンスよりもコンピューティングパフォーマンスが30%向上しており、最新の6世代AWS Nitroカードを搭載しています。さらに、ネットワーク帯域幅は最大600 Gbpsに達し、スケーラブルな74倍までのインスタンスサイズを提供します。

詳細解説

Graviton4プロセッサとは

Graviton4プロセッサはAWSの最新のコンピューティングプロセッサで、さらなるパフォーマンスと効率性を実現しています。これにより、従来のプロセッサに比べて、より高い計算能力を低コストで提供することが可能です。

ネットワーク帯域幅の拡張

C8gnインスタンスは最大600 Gbpsのネットワーク帯域幅を提供し、ネットワーク集約型のワークロードに最適化されています。これにより、大規模なデータ転送や高スループットを必要とするアプリケーションのパフォーマンスが向上します。

Elastic Fabric Adapter (EFA) サポート

C8gnインスタンスは、特定のインスタンスサイズでElastic Fabric Adapter (EFA) をサポートしており、クラスターコンピューティングのパフォーマンス向上や低遅延を実現します。EFAを活用することで、科学技術計算や機械学習のワークロードの効率を大幅に高めることができます。

インスタンスサイズの多様性

C8gnインスタンスは、Smallから48xlargeまでの多様なインスタンスサイズを提供しており、最大384 GiBのメモリや最大60 GbpsまでのAmazon Elastic Block Store (EBS) 帯域幅を備えています。これにより、ユーザーのニーズに応じた柔軟な選択が可能です。

利用用途・ユースケース

C8gnインスタンスは以下のような用途やユースケースで特に効果を発揮します。
– ネットワーク仮想アプライアンスのデプロイ
– 大規模データ分析プロジェクト
– AI/ML推論ワークロード
– 大規模トランザクションシステムやデータベース

メリット・デメリット

  • メリット
  • 最新のGraviton4による高いパフォーマンスと効率性
  • 600 Gbpsの高いネットワーク帯域幅
  • 幅広いインスタンスサイズの選択肢
  • ネットワーク集約型ワークロードにおけるコスト削減
  • デメリット
  • 特定のAWSリージョンでのみ利用可能
  • 新しいプロセッサのためにソフトウェア互換性の確認が必要

まとめ

Amazon EC2 C8gnインスタンスの登場により、AWSユーザーはより高いネットワークパフォーマンスと計算能力を、より低コストで享受できるようになりました。Graviton4プロセッサとEFAサポートにより、特にネットワーク集約型のワークロードにおいて顕著な性能向上を目指せます。今後、これらのインスタンスを利用することで、クラウドインフラストラクチャの一層の最適化と効率化が期待されます。

考察

C8gnインスタンスのリリースは、AWSユーザーにとってネットワーク集約型アプリケーションの性能向上とコスト効率性の向上をもたらす重要なステップです。特に、既存のネットワークや計算リソースに課題を抱えているユーザーにとっては、パフォーマンスのボトルネックを解消する効果的な手段となります。ただし、リアルタイムでの性能評価を行い、ソフトウェアの互換性や最適化を進めることが適切です。


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