AWS DMSがデータマスキング機能をサポート!データ移行時のセキュリティを強化

2024年11月発表

2024年11月、AWSはAWS Database Migration Service(DMS)に新たなデータマスキング機能を追加しました。この機能により、データベース移行中に機密データを保護しつつ、開発やテスト環境での安全なデータ利用を実現します。データ保護規制に対応しながら、業務効率を向上させるこの新機能について詳しくご紹介します。


AWS DMSとは?

AWS DMSは、データベースをAWSクラウドに安全かつ迅速に移行するためのマネージドサービスです。このサービスの特徴は、移行中もソースデータベースが稼働を続けるため、アプリケーションのダウンタイムを最小限に抑えられる点です。同種・異種間のデータベース移行や継続的なデータレプリケーションにも対応しており、データ移行の信頼性と柔軟性を提供します。


データマスキング機能の概要

新たに追加されたデータマスキング機能は、機密データをカラム単位で変換することで、データ移行時のセキュリティを強化します。この機能は、以下の3つのマスキング手法をサポートしています:

  1. 数字のランダム化
    数値データをランダムな値に置き換え、元データの特定を防止。
  2. 数字の部分マスキング
    数値の一部をマスクして、データを匿名化。
  3. ハッシュ化
    データをハッシュ関数で変換し、元の値を完全に特定できないように保護。

これらのマスキング手法は、DMS ClassicとDMS Serverlessのバージョン3.5.4で利用可能です。


想定される利用用途

1. 開発・テスト環境でのデータ利用

本番環境のデータを安全に開発やテスト環境で利用する際、個人情報や機密情報をマスクすることでセキュリティを確保します。

2. データ分析

顧客データや財務データをマスクして分析環境に提供することで、プライバシーを保護しながら正確なデータを活用できます。

3. 外部パートナーへのデータ共有

協力会社やパートナーとデータを共有する際、データマスキングによって情報漏洩リスクを軽減します。


メリット

1. セキュリティの向上

データ移行中に機密情報をマスクすることで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減。

2. データ保護規制への準拠

GDPRやCCPAなどのデータ保護規制に対応し、法的コンプライアンスを確保。

3. 業務効率の向上

データマスキングを自動化することで、手動作業の手間を省き、効率的な移行が可能。

4. 信頼性の高いデータ移行

マスキングされたデータを使用することで、データの安全性を確保しつつ、移行後のテスト精度を向上。


デメリット

1. データの一意性が損なわれる可能性

マスキングにより、一部のデータセットの一意性が失われることがある。

2. パフォーマンスへの影響

大量データをマスキングする場合、処理時間が増加する可能性がある。

3. ワークフローの変更が必要

既存のデータ移行プロセスやアプリケーションに変更が必要になる場合がある。


まとめ

AWS DMSのデータマスキング機能は、データ移行時の機密情報保護を強化し、セキュリティとコンプライアンスを確保するための強力なツールです。特に、開発やテスト環境でのデータ利用や外部パートナーとのデータ共有において、データ保護と効率化を実現します。一方で、データの一意性や処理パフォーマンスへの影響を考慮した運用設計が重要です。

詳細は、公式発表ページをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました