AWS Direct ConnectがMACsec機能を拡張し、パートナーインターコネクトへの対応開始
はじめに
AWS Direct Connectは、AWSとお客様のネットワークを安全かつ効率的に接続するためのサービスとして知られています。近年、セキュリティの重要性がますます高まる中、AWSはIEEE 802.1AE MAC Security Standard(MACsec)のサポートを拡張し、パートナー所有のインターコネクトでも利用できるようにしました。これにより、多くのユーザーが安心してAWS Direct Connectを利用できる環境が整いました。
概要
AWS Direct Connectは、新たにMACsec(MAC Security)機能をパートナーネットワークデバイスにまで拡張し、グローバルに展開された100以上の対応地点でサポートを開始しました。これにより、パートナーはエッジネットワークデバイスとDirect Connectデバイス間のLayer 2接続を暗号化でき、連携するすべてのトラフィックを安全に保護できます。AWSは、10Gbpsおよび100GbpsのインターコネクトでMACsecの設定方法をユーザーガイドで提供しています。
詳細解説
MACsecとは
MACsec(Media Access Control Security)は、Layer 2で動作する暗号化プロトコルで、物理リンクの両端で通信データを暗号化し、なりすましやデータ改ざんを防ぎます。AWS Direct Connectは、このプロトコルを用いることで、パートナーとの接続をより安全にしました。
対応地点とデバイス
MACsecは、グローバルに展開されている100か所以上のAWS Point of Presence(PoP)でサポートされており、対応する物理デバイスを持つパートナーは自社インフラとAWSの接続を完全に暗号化することが可能です。
セットアップと管理
ユーザーは、AWS Direct ConnectコンソールまたはAPIを使用して、MACsec対応インターコネクトをリクエストし、管理することができます。また、セットアップ手順については、Direct Connectユーザーガイドに詳細が記述されています。
利用用途・ユースケース
この新しいMACsec機能の拡張により、以下のような用途が可能になります。
– データセンター間での安全なデータ転送
– コンプライアンス要件を満たすためのデータ暗号化
– 高価値データを取り扱う業種(金融、医療など)でのセキュリティ強化
– ハイブリッドクラウド環境におけるセキュリティ保証の向上
メリット・デメリット
- メリット
- セキュリティ: レイヤー2での強力な暗号化により、データセキュリティが向上します。
- 効率: ネイティブにラインレートでの暗号化が可能で、高速な通信速度を維持できます。
- グローバル対応: 100箇所以上で利用可能なため、利便性が高いです。
- デメリット
- 対応デバイスの必要性: 既存の環境に対応デバイスが必要であるため、追加コストが発生する可能性があります。
- 技術的な理解: 環境設定には専門的な知識が必要です。
まとめ
AWS Direct ConnectのMACsecサポート拡張は、パートナーエッジデバイスとAWS間のトラフィックのセキュリティを大幅に強化するものです。これにより、ユーザーは、セキュリティを確保しつつ、パフォーマンスを損なうことなくAWSのサービスを利用することが可能です。特に、データの安全性が重要な業種では、この機能の拡張が与える影響は大きいでしょう。AWSは、より安全で信頼性の高い接続を実現することに専念しています。
考察
この発表により、AWS Direct Connectの利用者はさらに強固なセキュリティを確保できる環境が整いました。特に、パートナーネットワークとの接続においても、セキュリティを高度に保つことができるため、AWSの信頼性が改めて強調されます。ただし、追加のハードウェア要件や技術的な設定が必要な点については注意が必要です。AWSユーザーは、新機能を活用することで、セキュリティとパフォーマンスの両立を実現できるでしょう。
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