AWSは、データ転送サービスであるAWS DataSyncのパフォーマンスとスケーラビリティを向上させ、データ移行やファイル転送の効率化を支援する新機能を追加しました。これにより、オンプレミス環境や他のクラウドサービスからAWSクラウドへ大規模データを移行する際に、さらに高速かつ安定したデータ転送が可能になります。AWS DataSyncは、業務のデジタルトランスフォーメーションやクラウド移行に欠かせないサービスであり、今回の強化により、多種多様なワークロードを効率的にAWSクラウド上へ移行できます。特に、膨大なデータ量を扱う企業や、頻繁なバックアップやデータレプリケーションが必要な環境で効果的です。
新機能の概要
AWS DataSyncの新機能では、1回の転送ジョブで大量のデータを処理できるようにパフォーマンスが強化され、同時に複数のデータ転送を実行できるスケーラビリティが向上しました。これにより、従来のDataSyncよりも大容量のデータを短時間で転送可能になり、リソース消費の最適化が図られます。DataSyncは、AWSクラウドとオンプレミスストレージ間、またはAWSサービス間の転送を自動化し、転送中のデータ検証やセキュリティ対策も施されているため、安全かつ確実なデータ移行が可能です。今回の強化により、データレイクやデータアーカイブ、データベースのバックアップといった大規模なデータ処理が必要なシナリオにおいて、効率的なデータ移行と管理が実現します。
想定される利用用途
- データセンターのクラウド移行:オンプレミスのデータセンターからAWSクラウドへの大規模データの移行を迅速に実行し、クラウド環境でのデータ活用を推進。
- データレイク構築のためのデータ収集:AWS上でのデータレイク構築に必要なデータを迅速に収集・転送し、大規模分析環境を整備。
- ディザスタリカバリとバックアップ:重要なビジネスデータをAWSクラウド上にバックアップ・レプリケーションすることで、災害時のデータ復元を迅速に行う。
- 国際拠点間でのデータ同期:グローバル企業において、地理的に分散した拠点間でデータ同期を実行し、業務の一貫性と効率性を確保。
メリット
- 高速かつ安定したデータ転送:パフォーマンス向上により、従来よりも大容量のデータを短時間でAWSクラウドへ移行可能。
- 高いスケーラビリティ:複数の転送ジョブを同時に処理することで、並行して複数のデータ移行を効率的に実施できる。
- 安全なデータ移行:データ転送中の検証や暗号化が標準装備されており、重要データを安全に転送。
- コスト効率の向上:リソース消費が最適化され、コスト効率の高いデータ移行が可能。
デメリット・課題
- 高い初期設定の負担:初めて利用する際には、接続設定やデータ転送ポリシーの設定に手間がかかる可能性がある。
- 転送コストの発生:データ量が多いほど転送コストも増加するため、コスト管理が必要。
- ネットワーク帯域への依存:オンプレミスからクラウドへの転送時にインターネット帯域が十分でないと、スピードに影響が出る可能性がある。
- 複雑なデータ管理:大量のデータを転送する際に適切な管理が求められ、運用チームの負担が増える場合がある。
まとめ
AWS DataSyncのパフォーマンスとスケーラビリティの向上は、クラウド移行を迅速かつ効率的に進めたい企業にとって大きな利便性をもたらします。データセンターの移行やデータレイクの構築、ディザスタリカバリなど、データを効率的に管理・移行する場面での活用が期待され、グローバルなデータ管理やバックアップ体制の強化が可能です。一方で、初期設定やネットワーク帯域の確保、コスト管理には注意が必要ですが、これらを適切に対処することで、安全かつ効率的なデータ管理基盤が構築できます。
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