AWS Data ExchangeがAPI経由のデータグラントとデータ共有機能を拡充:より効率的で安全なデータ配信が可能に

2024年10月発表

AWSは、AWS Data Exchangeに新たな機能として、API経由でのデータグラントとデータ共有をサポートしました。この新機能により、組織はAPIを活用してデータのアクセス権(データグラント)を管理し、データの共有を効率的かつセキュアに行うことができます。特に、複数のステークホルダーやビジネスパートナーとデータを共有する必要がある企業にとって、管理の効率化とセキュリティ強化が図れます。この機能は、データガバナンスの向上や、データ共有プロセスの迅速化に寄与し、柔軟で安全なデータエコシステムの構築を支援します。


新機能の概要

AWS Data ExchangeのAPIサポートにより、企業はプログラム上でデータのアクセス権を付与・管理し、データの共有先や利用権限を制御できるようになりました。データ提供者は、APIを通じてデータの使用権限をリモートから自動化して付与でき、リアルタイムでの更新も可能です。また、データ消費者に対しては、承認されたデータのみがAPI経由で提供されるため、不要なデータアクセスを防止し、セキュアなデータ配信を実現します。これにより、データのライフサイクル管理や、特定のユーザーや組織へのデータ提供が一元的に行えるようになります。


想定される利用用途

  1. データ提供企業とパートナー企業間のデータ共有:APIを通じてデータアクセスを効率的に管理し、承認済みパートナーへのデータ配信を迅速化。
  2. 金融機関でのセキュアなデータアクセス:リアルタイムで更新される市場データや取引データを共有し、アクセス制御を厳格に行う。
  3. ヘルスケアデータの安全な配信:医療データや研究データをAPIを通じて共有し、データプライバシーを確保しつつ、承認ユーザーのみがアクセス可能に。
  4. マーケティングデータのライセンス管理:サードパーティのマーケティングデータをAPIを利用して提供し、利用権限を柔軟に管理。

メリット

  1. データアクセス管理の効率化:APIを使用してデータグラントや共有設定を自動化し、リソースの節約と管理の効率化が可能。
  2. セキュリティ強化:API経由のアクセス制御により、承認されたユーザーのみがデータを取得できるため、データ漏洩リスクを低減。
  3. リアルタイム更新:データがリアルタイムで更新され、最新情報に基づいたデータ共有が可能。
  4. 迅速なデータ配信:APIによりデータが即座に共有され、パートナーとのデータ連携が円滑に行える。

デメリット・課題

  1. API設定の複雑さ:APIベースのデータ共有とアクセス管理には、API設定やプログラミング知識が必要。
  2. コスト増加の可能性:APIによるリアルタイムアクセスが頻繁に発生する場合、データ通信量に応じた追加コストが発生する可能性がある。
  3. データプライバシーのリスク:誤った設定や不正アクセスにより、機密性の高いデータが漏洩するリスクがある。
  4. AWS依存:AWS Data Exchangeに依存するため、他のクラウドプロバイダやオンプレミス環境での利用が制限される。

まとめ

AWS Data ExchangeのAPIベースでのデータグラントおよびデータ共有機能は、企業がセキュアで効率的なデータアクセス管理を実現するための強力なツールです。金融、ヘルスケア、マーケティングなどのデータに厳しい規制が求められる業界において、データのアクセス管理を一元化し、リアルタイムでのデータ共有が可能になります。一方で、設定の複雑さやコスト面での管理が必要となるため、導入時にはこれらの点も考慮することが重要です。

詳細は公式ページをご覧ください。

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