AWSは、AWS Control Towerで新たに**カスタマイズ可能なリソースコントロールポリシー(RCP: Resource Control Policies)**の機能をリリースしました。このアップデートにより、AWS環境のリソース管理がさらに柔軟かつ効率的になり、セキュリティとコンプライアンスの強化が期待できます。
主な特長
1. リソースコントロールポリシーの設定
- AWS Control Towerダッシュボードから直接ポリシーを定義・管理。
- 特定のアカウントやOU(組織単位)に適用可能。
2. 柔軟なポリシー設定
- S3バケットやEC2インスタンスなどのリソースタイプごとにポリシーをカスタマイズ。
- 「許可」や「制限」ポリシーを細かく設定可能。
3. 組織全体の一貫性確保
- 管理者は、ポリシーを利用して、リソースの使用を統一的に管理。
- 非許可のアクションやリソースタイプを事前に制限可能。
4. AWS Organizationsとの統合
- AWS OrganizationsのOUと統合されており、スケーラブルなポリシー適用が可能。
5. リアルタイムモニタリングとログ
- リソース使用状況や違反ポリシーをリアルタイムで追跡。
- CloudTrailやCloudWatchと連携した包括的な監視。
想定される利用用途
- セキュリティの強化
- アクセスが制限されたリソースタイプをポリシーで明確化。
- コンプライアンス要件への対応
- 法規制や社内ポリシーに基づいたリソース使用制限を容易に。
- コスト管理
- 非効率なリソース使用をポリシーで制御し、無駄なコストを削減。
- 環境の一元管理
- 複数のAWSアカウントにまたがる一貫したリソースコントロールを実現。
- 運用の効率化
- 手動による監視作業を削減し、自動化されたポリシーで運用を最適化。
メリット
- セキュリティリスクの低減
- リソース使用をポリシーで制御し、不正利用やミスを防止。
- 管理の一貫性
- 全てのアカウントとOUでポリシーを適用し、ガバナンスを強化。
- スケーラビリティ
- 追加のアカウントやリソースが増加しても簡単に適応可能。
- 効率的なリソース使用
- ポリシーに基づき、必要なリソースだけを適切に使用。
- リアルタイムな追跡とログ
- ポリシーの適用状況や違反をすぐに特定。
デメリット・課題
- 初期設定の複雑さ
- ポリシー設計には深いAWSの理解が必要。
- カスタマイズの制限
- 特定のユースケースでは、ポリシー設定が制約となる可能性。
- 学習コスト
- AWS Control Towerの操作に不慣れな場合、設定に時間がかかる。
- 依存関係の管理
- 複雑なポリシー構成が、既存のIAM設定と競合する可能性。
- 追加コスト
- AWS Control Towerの利用に伴う料金が発生する場合がある。
まとめ
AWS Control Towerでのリソースコントロールポリシー設定は、AWS環境におけるガバナンスを大幅に強化する機能です。特に、多数のアカウントや複雑なリソースを管理する組織にとって、統一的かつ効率的な運用が可能になります。一方で、初期設定や学習コストには注意が必要です。
詳細は公式ページをご覧ください。