AWS Control Towerが新たに7つのコンプライアンスフレームワーク対応と279のAWS Configルールを追加

2025年11月発表

AWS Control Towerが新たに7つのコンプライアンスフレームワーク対応と279のAWS Configルールを追加

はじめに

AWSは、クラウド環境の管理とガバナンスを追求し続けており、その最新の進化としてAWS Control Towerにおけるさらなる機能強化を発表しました。AWS Control Towerが、新たに279のAWS Configルールと7つのコンプライアンスフレームワークに対応することで、セキュリティやコスト効率の向上、運用の安定性を一層強化できるようになったのです。この記事では、このアップデートの内容とその影響について詳しく解説していきます。

概要

AWS Control Towerは、組織のAWSアカウントの管理とガバナンスを支援するためのプラットフォームです。今回のアップデートでは、新たに279の管理されたAWS ConfigルールがControl Catalogに追加され、現在のマルチアカウント環境でのガバナンスが大幅に強化されました。また、7つの新しいコンプライアンスフレームワークへの対応により、これまで以上に多様なガバナンス要求を満たすことが可能になっています。

詳細解説

新たなAWS Configルールの導入

今回のアップデートにより、AWS Control TowerのControl Catalogに279の新たなAWS Configルールが追加されました。これにより、セキュリティ、コスト、耐久性、運用面でさまざまなユースケースをカバーすることが可能となっています。ユーザーはAWS Control Towerのコンソールから直接これらのルールを検索、発見、適用、管理することができます。

コンプライアンスフレームワークの拡張

新たに対応するコンプライアンスフレームワークには、以下のものが含まれます:
– ACSC-Essential-Eight-Nov-2022
– ACSC-ISM-02-Mar-2023
– AWS-WAF-v10
– CCCS-Medium-Cloud-Control-May-2019
– CIS-AWS-Benchmark-v1.2
– CIS-AWS-Benchmark-v1.3
– CIS-v7.1

これらは、既存のフレームワークと組み合わせて使用することで、より包括的なガバナンスとセキュリティ管理が可能となります。

APIの機能強化

新たに強化されたAPIにより、Control Catalogでのコントロール間の関係が明らかになりました。ListControlMappings APIを利用することで、各コントロールがどのように補完し合い、どのコントロールが代替となり得るか、または排他的であるかなどの重要な関係性を理解することが可能になりました。特に、コンフィグルール(検知)とサービス制御ポリシー(防止)が組み合わせて用いることで、包括的なセキュリティカバレッジを実現できるようになります。

利用用途・ユースケース

AWS Control Towerの機能強化は、次のようなユースケースでの活用が見込まれます。
– マルチアカウント環境でのコンプライアンス管理の一元化
– セキュリティポリシーの迅速な実施と監査プロセスの簡略化
– コスト管理と予算の最適化
– 強固な耐久性を持つシステムの設計と運用

メリット・デメリット

  • メリット
    • セキュリティ強化:多様なコンフィグルールがセキュリティギャップを低減。
    • 管理の一元化:Control Towerによる一元的なガバナンス管理の向上。
    • コンプライアンス対応:新たなフレームワークでの法令順守の容易化。
  • デメリット
    • 複雑性の増加:高度な管理スキルが必要。
    • 初期設定の手間:新しいルールとフレームワークの適用に時間がかかる場合がある。

まとめ

AWS Control Towerの新機能は、クラウド上でのガバナンスとコンプライアンスの管理をさらに強化するものです。特に、新たなAWS Configルールとコンプライアンスフレームワークの追加により、より広範な要件に対応できるようになり、セキュリティ、コスト、耐久性、運用面でのあらゆる課題に対応する能力が向上しました。これにより、ユーザーは安心してAWSを活用し、ビジネスの成長を促進することが期待されます。

考察

今回のAWS Control Towerのアップデートは、AWSユーザーにとって、より安全で効率的なマルチアカウント管理を実現する大きな一歩となるでしょう。このアップデートによって、より多くの組織がクラウドリソースのガバナンスを強化し、法律や規制への準拠を容易にすることが可能になります。しかし、複雑性が増すため、適切な管理スキルとリソースの計画が重要となります。


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