AWSは、AWS CodeBuildにおいて新たに**マネージド型ネットワークアクセス制御リスト(ACL)**のサポートを開始しました。この機能により、ユーザーはビルド環境におけるネットワークアクセスをより詳細に制御できるようになり、ビルドプロセスのセキュリティが強化されます。マネージド型のACLは、AWSが提供する管理機能を活用しているため、設定や運用の手間が軽減され、セキュアなネットワーク環境を簡単に構築できます。この機能は特に、ビルドプロセスにおいて外部リソースやネットワークにアクセスする必要がある企業にとって、セキュリティと効率の両立が可能です。
新機能の概要
AWS CodeBuildのマネージド型ネットワークACL機能では、AWSが提供するネットワークポリシーを利用してビルド環境へのネットワークアクセスを管理できます。これにより、ビルド中に許可されたIPアドレスや特定のポートからのみアクセスを許可することが可能になり、セキュリティが強化されます。また、AWSによる自動更新が行われるため、最新のセキュリティ基準に基づくアクセス管理が実現します。設定はシンプルで、事前に用意されたポリシーを選択するだけで、適切なネットワーク制御が適用されるため、複雑な設定が不要です。
想定される利用用途
- セキュアなアプリケーションビルド環境:社内のビルド環境や特定のネットワークのみからアクセスを許可し、外部からの不正アクセスを防止。
- 金融機関や医療機関のデータ保護:金融・医療データを扱うアプリケーションのビルドプロセスにおいて、厳格なネットワーク制御でデータ漏洩リスクを低減。
- コンプライアンス対応が求められる業界:業界特有のセキュリティ要件に応じて、ネットワークアクセスを管理し、規制に準拠したビルド環境を提供。
- 多層的なセキュリティ対策:他のセキュリティ機能と併用し、ビルド環境全体のセキュリティを強化しつつ、業務効率を向上。
メリット
- セキュリティの強化:ネットワークアクセスを厳格に管理でき、外部からのアクセスを制限することで、ビルド環境のセキュリティが向上。
- 簡単な運用管理:AWSによるマネージド型のACLで、設定や更新の手間が軽減され、効率的な運用が可能。
- 最新のセキュリティ基準に対応:AWSによる自動更新で、最新のセキュリティ要件を満たしたネットワークアクセスが維持される。
- アクセス管理の一元化:CodeBuild環境でのネットワークポリシーを一元管理できるため、ビルド環境全体の可視性と制御が向上。
デメリット・課題
- 設定の複雑さ:ネットワークアクセス制御を詳細に設定する場合、専門知識が求められることがある。
- 費用の発生:マネージド型サービスのため、従量課金が適用され、利用量が増加する場合にはコストが発生する可能性がある。
- 依存性の増加:マネージド型のためAWSのサービスに依存する形となり、他の環境での実行が難しくなることがある。
- 特定ポリシーの制約:AWSが提供する事前定義のポリシーに限られる場合、カスタム要件に対応できない場合がある。
まとめ
AWS CodeBuildのマネージド型ネットワークACL機能のサポートにより、企業はセキュアなビルド環境を簡単に構築できるようになりました。特に、厳密なアクセス管理が求められる金融機関や医療機関、またはコンプライアンス要件のある業界において、ネットワークセキュリティを強化しつつ運用の負担を軽減できます。AWSの最新セキュリティ基準に基づく自動更新により、手間をかけずに高度なセキュリティ対策が可能になりますが、依存性の増加や設定の複雑さといった課題も存在するため、導入には事前の計画が重要です。
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