AWSは、CloudFormation Hooksの機能を拡張し、新たにスタック変更セットにおけるターゲットポイントを追加しました。このアップデートにより、より柔軟で詳細な制御が可能となり、AWSリソース管理の効率性と信頼性が向上します。これにより、ユーザーは変更セットレベルでカスタムロジックを適用し、変更の適用前に厳密なチェックやガバナンスを実行できます。
AWS CloudFormation Hooksとは?
AWS CloudFormation Hooksは、インフラストラクチャコードにカスタムロジックを追加する機能です。これにより、リソースの作成や更新時にカスタムチェックや検証を実行できるようになります。このフック機能を活用することで、組織固有のガバナンスポリシーやセキュリティ要件に基づいた制御を実現します。
アップデートの詳細
今回のアップデートでは、変更セットレベルでのターゲットポイントが追加されました。この新しい機能により、以下の場面でフックを活用することが可能です:
- 変更セットの作成時
変更セットが作成される際に、リソース構成の整合性やガイドライン遵守を確認できます。 - 変更セットの適用時
実際に変更をスタックに適用する前に、ポリシーや制約に違反していないかを確認可能。
これにより、誤った設定や非準拠な変更がスタックに反映されるのを未然に防ぐことができます。
想定される利用用途
1. セキュリティチェック
- リソース構成がセキュリティ基準を満たしているかを検証。
- 非承認の設定や公開されたリソースが含まれていないかを確認。
2. コスト管理
- コストが高騰する可能性のあるリソースタイプや構成を排除。
- 設定変更により、コスト最適化ポリシーを遵守していることを保証。
3. 運用ガバナンス
- チームや部門ごとのリソース管理ポリシーを強制。
- 誤操作や非標準的な構成の反映を防止。
4. コンプライアンス遵守
- リソースの構成が規制要件や法的基準を満たしているかの確認。
メリット
1. 信頼性の向上
変更セットを適用する前にカスタムロジックで厳密に検証することで、システム全体の信頼性が向上します。
2. コスト削減
非効率的な構成やリソースの作成を防ぐことで、コストの管理が容易になります。
3. セキュリティ強化
リソース作成時点でのセキュリティ違反を防ぎ、運用中のリスクを低減。
4. 組織全体の一貫性
組織のポリシーやベストプラクティスを変更セットレベルで徹底できます。
デメリット
1. 初期設定の複雑さ
フックの設定やターゲットポイントの定義には、ある程度の学習コストと初期作業が必要です。
2. 運用負荷の増加
詳細なチェックを行うことで、デプロイメントの速度が低下する場合があります。
3. スキル要件
カスタムロジックの実装には、CloudFormationやAWS Lambdaの知識が求められます。
公式サイトでの詳細情報
この新機能に関する詳細な情報は、公式ページをご覧ください:
AWS CloudFormation Hooks: ターゲットポイント拡張