2024年12月1日、Amazon Web Services(AWS)は、AWS Clean Roomsが複数のクラウド環境および多様なデータソースとの連携をサポートすることを発表しました。これにより、企業は自社およびパートナーのデータを移動させることなく、SnowflakeやAmazon Athenaに保存されたデータと連携し、共同で分析を行うことが可能となります。
アップデートの概要
今回のアップデートにより、AWS Clean Roomsは以下の機能を提供します。
- マルチクラウド対応: AWS上のデータだけでなく、Snowflakeに保存されたデータとも連携可能。
- 多様なデータソースの統合: Amazon Athenaを通じて、さまざまなデータソースからのデータを統合し、分析に活用。
- データ移動の不要化: データを移動させることなく、最新のデータを使用して共同分析が可能。
これにより、企業はデータの抽出、変換、ロード(ETL)プロセスを省略し、コストと複雑性を削減できます。例えば、Amazon S3にデータを持つメディア企業と、Snowflakeにデータを持つ広告主が、データを共有することなく広告費用の評価を行うことが可能となります。
想定される利用用途
- 広告キャンペーンの効果測定: 広告主とメディアパートナーが、各自のデータを共有せずにキャンペーンの効果を共同で分析。
- 投資判断の最適化: 金融機関がパートナー企業と連携し、最新の市場データを基に投資戦略を策定。
- 研究開発の促進: 複数の研究機関がデータを共有せずに共同研究を行い、新製品や技術の開発を加速。
メリット
- データプライバシーの保護: 基礎データを共有せずに分析を行うため、データの機密性を維持。
- 最新データの活用: データの移動やコピーを行わず、常に最新のデータを使用して分析が可能。
- コストと時間の削減: ETLプロセスが不要となり、データ統合に伴うコストと時間を大幅に削減。
デメリット
- 対応クラウドの制限: 現時点では、AWSとSnowflakeのデータに対応しており、他のクラウドサービスとの連携は制限される可能性がある。
- 技術的なハードル: 新しい機能の導入には、システムの設定やユーザーのトレーニングが必要となる場合がある。
- データ形式の互換性: 異なるデータソース間でのデータ形式の違いにより、統合時に追加の調整が必要となる可能性がある。
まとめ
AWS Clean Roomsのマルチクラウドおよび多様なデータソースのサポートにより、企業はデータを移動させることなく、安全かつ効率的にパートナーと共同分析を行うことが可能となりました。これにより、広告、投資、研究開発などの分野で、より迅速で的確な意思決定が期待されます。ただし、対応クラウドの制限や技術的なハードルを考慮し、適切な計画と管理が求められます。
公式サイトはこちら: AWS Clean Rooms、マルチクラウドおよび多様なデータソースのサポートを開始