AWS、EC2 I8gおよびI7iインスタンスのネットワークバースト時間制限を無制限に

2025年9月発表

AWS、EC2 I8gおよびI7iインスタンスのネットワークバースト時間制限を無制限に

はじめに

AWSは、Amazon EC2 I8gおよびI7iインスタンスでネットワークバーストの持続時間を無制限にするという革新を発表しました。このアップデートは、特にメモリおよびネットワーク集約型のワークロードを抱える組織に大きな利益をもたらします。従来、これらのインスタンスはネットワークI/Oのクレジットメカニズムを使用してバースト性能を維持していましたが、今回のアップデートにより、より大きなインスタンスサイズでは最大性能を持続的に発揮できるようになりました。これにより、アプリケーションの予測可能なパフォーマンスが保証されます。

概要

AWSは、Amazon EC2 I8gおよびI7iインスタンスのネットワークバンド幅に関するバースト制限を撤廃しました。これにより、4xlargeを超えるサイズのインスタンスにおいて、常に最大のネットワークバンド幅を維持することが可能になります。この改善により、メモリとネットワーク性能が求められるアプリケーションは、より一貫した高スループットのネットワーク接続を実現できます。

詳細解説

ネットワークバーストの概念

ネットワークバースト機能とは、通常のネットワーク使用量を一時的に超える必要がある場合に、追加のネットワーク帯域を利用する機能です。これまで、EC2 I8gおよびI7iの大規模インスタンスは、ベースラインバンド幅を超えた時にバースト可能な仕組みを持っていましたが、今回の更新により、バースト期間の制約が無くなりました。

インスタンスの特性と性能

I8gおよびI7iインスタンスは、高度なI/O性能を必要とするアプリケーション向けに設計されています。最大で1.5TiBのメモリおよび45TBのローカルストレージを持ち、ネットワーク性能は最大で100Gbpsに達します。さらに、EBSに対しては最大60Gbpsの専用帯域を提供しています。

更新による利点

ネットワークバースト制限の撤廃により、特に高負荷のデータベースやリアルタイム分析を行うシステムにとって、予測可能で持続したネットワークパフォーマンスが確保されます。今回の変更により、アプリケーションの効率が向上し、新たなユースケースの開発が可能になります。

利用用途・ユースケース

– トランザクショナルリアルタイムデータベース: MySQL、PostgreSQL、Hbase、NoSQLソリューション(Aerospike、MongoDB等)の支援
– リアルタイム分析プラットフォーム: Apache Spark、データレイクハウス、AI LLMの前処理
– ストレージ密集型アプリケーション: 高速なデータアクセスを必要とするワークロード

メリット・デメリット

  • メリット: 持続可能な高スループットネットワーク、安定したパフォーマンス、ユースケースの拡大
  • デメリット: 小規模なインスタンスでは従来のバーストメカニズムが維持されるため、性能差が生じる可能性

まとめ

AWSの最新の発表により、I8gおよびI7iインスタンスの高い能力をさらに引き出すことが可能になりました。ネットワークバースト制限の撤廃は、持続的な高性能ネットワーク接続を必要とするアプリケーションにとって、安定性と予測可能性をもたらします。これにより、企業はより信頼性の高いサービスを提供し、ビジネス成果を最大化することが可能となります。

考察

今回のアップデートにより、AWSユーザーはI/O集中型のワークロードにおいて利益を享受することができます。システムの効率と一貫性が向上するため、特に高負荷のアプリケーションを運用する組織にとって大きな競争優位性となります。ただし、ユーザーは依然として小規模インスタンスの制限を考慮に入れた計画が必要です。


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