Amazon RDS for Oracleが、従来の仮想化インスタンスより25%低い価格でベアメタルインスタンスを導入

2025年9月発表

Amazon RDS for Oracleが、従来の仮想化インスタンスより25%低い価格でベアメタルインスタンスを導入

はじめに

Amazon RDS for Oracleに新たにベアメタルインスタンスが導入されました。このアップデートにより、ユーザーは従来の仮想化インスタンスよりも25%低い価格でデータベースの運用が可能になります。ベアメタルインスタンスの導入によって、複数のデータベースを単一のインスタンスに統合できるだけでなく、商用データベースのライセンスとサポートのコストも削減できる可能性があります。今回は、この新しいインスタンスの詳細について見ていきましょう。

概要

Amazon RDS for Oracleは、データベース管理をAWSに任せることで、ユーザーが自身のビジネスに注力できるよう、Amazonが提供するデータベースサービスの一部です。この度、Amazon RDS for OracleおよびAmazon RDS Custom for Oracleは、新たにベアメタルインスタンスをサポートするようになりました。これにより、ユーザーはM7i、R7i、X2iednなどのベアメタルインスタンスを、仮想化インスタンスと比べて25%低い価格で利用することが可能です。

詳細解説

ベアメタルインスタンスの利点とは

ベアメタルインスタンスとは、ハイパーバイザーを介さない実機上でのOS稼働を指し、AWSのEC2サービスでも利用されています。このため、特にパフォーマンスやライセンス管理の面で多くの利点を提供します。

コスト削減の可能性

ベアメタルインスタンスでは、複数のデータベースを1台のインスタンスにまとめることができます。たとえば、仮想インスタンスで個別に稼働しているdb.r7i.16xlargeとdb.r7i.8xlargeを、ベアメタルインスタンスであるdb.r7i.metal-24xlに統合可能です。さらに、ベアメタルインスタンスによってCPUのコア数やソケット数が明確になるため、Oracleのライセンス方針に基づき、ライセンスコストおよびサポート費用の削減が可能です。

利用用途・ユースケース

ベアメタルインスタンスは以下のようなケースに特に有効です:
– パフォーマンスが重要で、仮想化のオーバーヘッドを避けたい場合
– 専用ハードウェアへのアクセスが必要な高負荷アプリケーションや、ライセンス管理が重要視される商用データベースの運用
– マルチテナント環境におけるデータベースの統合と簡素化

メリット・デメリット

  • メリット: ライセンスコストの削減、仮想化オーバーヘッドの除外、高速パフォーマンス
  • デメリット: 初期設定が複雑になる可能性がある、専用インスタンスによる高いスケール能力が求められることがある

まとめ

Amazon RDS for Oracleのベアメタルインスタンスサポートは、大規模なデータベース運用を行う企業にとって、大幅なコスト削減と効率化の両立が期待される重要な更新です。パフォーマンスの向上やライセンス管理の簡素化により、市場競争力を向上させる力を持っています。AWSを利用している多くの企業にとって、ベアメタルインスタンスの導入を真剣に検討する価値があります。

考察

AWSによるこの発表は、多くの企業がデータベースの運用にかかるコストを最適化しつつ、性能を向上させる大きなチャンスです。ただし、ベアメタルインスタンスの運用には特定の技術要件や管理タスクが伴うため、十分な準備とサポートが求められます。AWSユーザーには、これを機にライセンス方針の見直しやインフラストラクチャの最適化を検討することが推奨されます。


タイトルとURLをコピーしました