Amazon RDS Custom for Oracle、マルチAZデプロイメント対応開始

2025年7月発表

Amazon RDS Custom for Oracle、マルチAZデプロイメント対応開始

はじめに

AWSは、企業のビジネスクリティカルなワークロードに高可用性を提供するため、Amazon RDS Custom for OracleにおいてマルチAZデプロイメントのサポートを発表しました。これによって、Oracleデータベースの環境をAWS上でカスタマイズしながらも、高可用性の恩恵を受けることが可能になります。本記事では、この新しい機能の概要と利用方法、ユースケース、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

概要

Amazon RDS Custom for OracleにおけるマルチAZデプロイメントは、AWSの可用性ゾーン(AZ)を活用した高可用性オプションです。RDS Custom for Oracleは、データベース環境とその基盤となるオペレーティングシステムをカスタマイズできる管理サービスであり、今回のアップデートにより、2つのAZ間でデータを同期的にレプリケートし、主要なデータベースインスタンスに障害が発生した場合、自動的にスタンバイインスタンスにフェイルオーバーする機能を提供します。

詳細解説

マルチAZデプロイメントの設定方法

RDS Custom for OracleのデータベースインスタンスをマルチAZでデプロイするには、データベースインスタンスの作成時に設定を指定します。このコンフィギュレーション指定により、RDS Customは異なるAZに主要およびスタンバイのデータベースインスタンスを自動でプロビジョニングし、スタンバイインスタンスへデータの同期レプリケーションを行います。

高可用性の保証

マルチAZデプロイメントでは、主要なデータベースインスタンスが利用できなくなった場合、自動でスタンバイインスタンスにフェイルオーバーが行われます。このプロセスは手動の介入なしで行われるため、システムの稼働時間を最大化し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

リージョンと価格設定

マルチAZデプロイメントオプションは、RDS Custom for Oracleが利用可能なすべてのAWSリージョンで提供されています。価格については、公式のRDS Custom for Oracle価格ページをご覧ください。

利用用途・ユースケース

この機能は、特に以下のような場面で有効です:
– 重要なデータベースが常に高度に可用であることが求められるビジネスアプリケーション。
– ミッションクリティカルなデータを扱うバッチ処理システム。
– オンプレミスからクラウドへの移行で、既存の高可用性要求条件を満たさなければならない場合。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • 自動フェイルオーバーによりサービスの継続性が向上。
    • 複雑な手動設定が不要で、簡単に高可用性を実装可能。
    • 全てのAWSリージョンで利用可能。
  • デメリット:
    • コストが増加する可能性がある。
    • システムの構成に関する柔軟性が制限される可能性がある。

まとめ

今回のAmazon RDS Custom for OracleのマルチAZデプロイメント対応は、AWS上でOracleデータベースを利用するユーザーにとって、大きなメリットを提供します。また、高可用性の確保が容易になり、重要なワークロードをクラウドに移行する際のハードルを下げるものとなるでしょう。導入を考えている企業は、この機会にぜひ検討を進めるべきです。

考察

本発表によって、AWSユーザーはより簡単に高可用性のクラウドデータベースソリューションを構築できるようになります。これにより、ビジネスクリティカルなアプリケーションの信頼性が向上し、運用コストの観点でも効果的なソリューションが実現されるでしょう。一方で、マルチAZデプロイメントのコストや特定の技術的要件が課題となる可能性もあるため、実際の導入には十分な検討が必要です。


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