AWSは、2024年11月、Amazon Relational Database Service（RDS） for MySQLにおいて、最新の長期サポート（LTS）リリースであるMySQL 8.4のサポートを開始しました。これにより、MySQL 8.4の最新機能を活用しながら、より高性能で安全なデータベース運用が可能になります。
この記事では、新たに提供されるMySQL 8.4の特徴、利用用途、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
MySQL 8.4の主な特徴
MySQL 8.4は、MySQLコミュニティによる最新のLTSリリースであり、多くの機能強化と性能向上が含まれています。特に以下のポイントが注目されています。
1. AWS Libcrypto（AWS-LC）FIPSモジュールとの統合
AWS-LC FIPSモジュール（証明書番号4816）との統合により、セキュリティが強化されました。これにより、厳格なセキュリティ要件を満たすシステム構築が可能です。
2. マルチソースレプリケーションプラグイン
複数のデータソースからのレプリケーションをサポートすることで、分析や統合データ処理が効率化されます。
3. グループレプリケーションのサポート
高可用性の実現を目的としたグループレプリケーション機能がサポートされ、システムの継続的な可用性を向上させます。
4. パフォーマンスの向上
MySQL 8.4では、複数のクエリ最適化やストレージエンジンの改善により、全体的な処理性能が向上しています。
アップグレード方法
既存のMySQL 8.0からMySQL 8.4へのアップグレードは、Amazon RDS Managed Blue/Greenデプロイメントを利用することで、ダウンタイムを最小限に抑えながら実行できます。この機能により、バージョンアップ作業がスムーズに行えます。
詳細な手順については、Amazon RDSユーザーガイドを参照してください。
想定される利用用途
1. 高可用性を求めるシステム
グループレプリケーションを活用することで、継続的な可用性を求めるミッションクリティカルなシステムに最適です。
2. データ統合と分析
マルチソースレプリケーションを利用して、複数のデータソースからのデータ統合を簡素化し、分析やレポーティングに活用できます。
3. 厳格なセキュリティ要件
AWS-LC FIPSモジュールの統合により、高いセキュリティ基準を満たすアプリケーションに最適です。
利用可能なリージョン
MySQL 8.4は、すべてのAWS商用リージョンおよびAWS GovCloud（US）リージョンで利用可能です。
メリット
1. 最新技術を活用可能
MySQL 8.4の最新機能により、データベースの性能や機能が大幅に向上します。
2. 高い信頼性
グループレプリケーションによる高可用性が実現し、システムダウンタイムを最小化します。
3. 効率的なデータ統合
マルチソースレプリケーションにより、データ統合や分析が容易になります。
4. セキュリティの向上
AWS-LC FIPSモジュールにより、厳格なセキュリティ基準を満たすことが可能です。
デメリット
1. アップグレードの計画とテストが必要
既存のデータベースを新しいバージョンにアップグレードする際には、事前の計画とテストが必要です。
2. 互換性の問題
アプリケーションや既存のプラグインがMySQL 8.4と互換性があるか確認する必要があります。
まとめ
Amazon RDSでのMySQL 8.4 LTSサポートにより、最新の機能と性能向上を享受できるようになりました。高可用性やセキュリティの向上を求めるシステム、またはデータ統合を重視するアプリケーションにとって、MySQL 8.4は非常に有力な選択肢です。
アップグレードを検討する場合は、既存システムとの互換性を確認し、計画的に移行を進めることが重要です。
詳細については、公式発表をご確認ください：公式ページはこちら
