2024年11月、AWSはAmazon QuickSightに新たな機能であるビジュアルインポート機能をプレビュー版として発表しました。この機能を活用することで、異なる分析やダッシュボード間で既存のビジュアルを簡単に再利用でき、データ分析やダッシュボード構築の効率が飛躍的に向上します。
ビジュアルインポートとは？
新たに追加されたビジュアルインポート機能を利用すれば、QuickSightで作成した既存のダッシュボードや分析から特定のビジュアルをインポートし、新しいプロジェクトに再利用できます。
主な特徴
- ビジュアルの再利用
一から作り直す必要なく、既存のビジュアルを選択して新しいダッシュボードに追加可能。 - 関連要素の自動インポート
ビジュアルに関連するデータセット、計算フィールド、フィルターなどの依存要素も同時にインポート。 - 競合解決と調整
インポート時に重複する項目を自動的に解決し、重複のないデータを維持。 - 独立したカスタマイズ
インポート後のビジュアルはソースから独立して編集可能。
想定される利用用途
- 分析やダッシュボードのテンプレート化
標準化されたビジュアルテンプレートを再利用して、プロジェクトごとの一貫性を確保。 - チーム間のコラボレーション
異なるチームが作成したビジュアルを共有し、効率的に共同作業を進める。 - 素早いプロトタイピング
既存ビジュアルを活用することで、新しい分析やダッシュボードの初期設定時間を短縮。 - 教育やトレーニング
既存のビジュアルを利用して、チームメンバーに素早く操作を学習させる。
利用可能なリージョン
Amazon QuickSightが提供されているすべてのリージョンで利用可能です。具体的には、以下の主要リージョンが含まれます：
- 米国東部（バージニア北部、オハイオ）
- 米国西部（オレゴン）
- アジアパシフィック（東京、シンガポール、ムンバイ、ソウルなど）
- ヨーロッパ（フランクフルト、アイルランド、ロンドン）
- 南米（サンパウロ）など
メリット
1. 時間の節約
一からビジュアルを作成する必要がないため、ダッシュボード構築時間が短縮。
2. エラー削減
既存ビジュアルを再利用することで、手動作成時のヒューマンエラーを回避。
3. 一貫性の確保
ビジュアルテンプレートを再利用することで、複数プロジェクト間でのデザインや内容の整合性を維持。
デメリット
1. 対応外のビジュアル
現時点では、テキストボックスやハイチャートビジュアル、カスタムコンテンツ、イメージコンポーネントなどの特定のビジュアルタイプがインポート対象外。
2. 複数シートの対応制限
1回のインポートで1つのシートからしかビジュアルをインポートできない。
3. 一部設定の非互換性
一部のフィルターやアクション設定が引き継がれない場合がある。
導入方法
- QuickSightのダッシュボードまたは分析でインポート元のビジュアルを選択。
- 「ビジュアルをインポート」オプションを選択し、ターゲットのダッシュボードや分析を指定。
- 依存関係が自動的に処理され、インポートが完了。
詳細な手順は、公式ドキュメントをご確認ください。
まとめ
Amazon QuickSightの「ビジュアルインポート」機能は、データ分析業務の生産性向上に大きく寄与する画期的なツールです。特に、チーム間での協力やプロジェクトの一貫性を重視する企業にとって、その利便性は非常に高いと言えます。ただし、一部の制約や非対応ビジュアルを考慮しながら、最大限に活用していきましょう。
詳細は、公式発表ページをご覧ください。
