Amazon OpenSearch ServiceでI8gインスタンスのサポート開始

2025年8月発表

Amazon OpenSearch ServiceでI8gインスタンスのサポート開始

はじめに

AWSは常にユーザーのニーズに応じた最適なソリューションを提供することを目指しており、今回Amazon OpenSearch ServiceにおけるI8gインスタンスのサポート開始が発表されました。これは、ストレージ集約型のワークロードに特化した第8世代のインスタンスで、高いパフォーマンスを誇ります。この記事では、この新しいインスタンスがどのような特長を持ち、ビジネスにどのようなメリットをもたらすのかを詳しく解説します。

概要

Amazon OpenSearch Serviceは、AWSが提供する完全管理型の検索および分析サービスで、リアルタイムで大量のデータを効率的に処理するための強力なプラットフォームを提供します。今回のアップデートでサポートされるようになったI8gインスタンスは、最新のAWS Graviton4プロセッサを搭載し、前世代のI4gインスタンスと比較して最大60%のコンピューティング性能向上を実現しています。さらに、第三世代のAWS Nitro SSDを使用し、ストレージI/Oのレイテンシを最大50%削減し、パフォーマンスのばらつきを最大60%低減します。

詳細解説

I8gインスタンスの技術的特性

I8gインスタンスは、AWS Graviton4プロセッサを採用しており、高度な計算資源を必要とするストレージ集約型ワークロードに最適化されています。Nitro Systemにより、仮想化、ストレージ、ネットワーク機能が専用のハードウェアとソフトウェアによりオフロードされ、全体のパフォーマンスとセキュリティが向上しています。

AWS Nitro SSDの優位性

第三世代のAWS Nitro SSDは、ローカルNVMeストレージを活用しており、リアルタイムのストレージ性能を最大65%向上させました。これにより、データ集約型のアプリケーションでも安定したパフォーマンスを確保できます。

対応バージョンとリージョン

I8gインスタンスは、すべてのOpenSearchバージョンおよびElasticsearch(オープンソース)のバージョン7.9と7.10をサポートしています。現在、このインスタンスは北米(バージニア北部、オレゴン)、カナダ(中央)、ヨーロッパ(フランクフルト、アイルランド、スペイン)、アジア太平洋(ムンバイ、シドニー)のリージョンで利用可能です。

利用用途・ユースケース

I8gインスタンスは、特にストレージがボトルネックとなる大量データのインデクシングおよび分析、ログデータのリアルタイム処理、ストリームデータの迅速な分析などに適しています。これにより、データ密集型のアプリケーションでより高速かつ効率的な処理が可能になります。

メリット・デメリット

  • メリット
    • 最大60%の計算性能向上により、より迅速なデータ処理が可能。
    • ストレージI/Oレイテンシの大幅な削減で、パフォーマンスばらつきを最小限に抑える。
    • AWS Graviton4プロセッサとAWS Nitro Systemによる高いセキュリティとパフォーマンス保証。
  • デメリット
    • 現在利用可能なリージョンが限定的であるため、特定の地理的要因による制約がある。
    • 最新技術の採用によるコストの増加リスク。

まとめ

I8gインスタンスの登場により、Amazon OpenSearch Serviceはさらに高性能なデータ処理機能を提供します。ストレージ集約型のワークロードに適したこのインスタンスは、ストレージI/Oレイテンシの低減を実現し、さらに高速なデータ処理が可能になりました。AWSが提供する最新技術を活用することで、企業は今までにない柔軟性と効率性を手にすることができます。

考察

AWSが提供するI8gインスタンスのサポートは、特にストレージ集約型ワークロードを持つ企業にとって大きなゲームチェンジャーとなるでしょう。改善されたパフォーマンスは、リアルタイム分析や大規模データ処理を必要とする多くのビジネスニーズに応えることができます。一方で、新しいインスタンスの採用に伴うコスト面や、限定されたリージョンでの提供という点においては、慎重な計画が求められます。


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