Amazon Managed Service for Prometheusのリソースベースポリシー対応

2025年8月発表

Amazon Managed Service for Prometheusのリソースベースポリシー対応

はじめに

AWSは日々新しい機能を追加し、クラウドサービスの利用者のニーズに応えています。そんな中でも、Amazon Managed Service for Prometheusが新しくリリースしたリソースベースのポリシーサポートは、システム間の監視をより柔軟にするための重要な進展です。この機能により、複数アカウント間でのアプリケーション構築が容易になります。この記事では、この新機能の詳細を解説し、その利点や使用例について考察します。

概要

Amazon Managed Service for Prometheusは、完全に管理されたPrometheus互換の監視サービスです。このサービスにリソースベースのポリシーが追加され、より柔軟なアクセス管理が可能になりました。これまでは、異なるアカウントからのメトリクスのインジェストやクエリを行うためには、ワークスペースオーナーのアカウントでIAMロールを引き受ける必要がありました。しかし、新機能により、リソースベースのポリシーを使用して、どのIAMプリンシパルがPrometheusワークスペースにアクセスできるかを直接指定できるようになりました。

詳細解説

リソースベースポリシーとは

リソースベースポリシーは、特定のリソースに対するアクセス権を指定する方法です。このポリシーを利用することで、アクセスを細かく制御し、特定のユーザーやグループにのみリソースの操作を許可することができます。Amazon Managed Service for Prometheusでは、このポリシーを用いて、他のアカウントのユーザーがメトリクスデータにアクセスする際の権限を設定できます。

クロスアカウントアクセスの設定

従来、異なるAWSアカウントからPrometheusワークスペースにアクセスするためには、IAMロールを経由してアクセスする必要がありました。しかし、リソースベースポリシーの導入により、直接的にアクセス許可を与えることが可能になり、設定がシンプルになりました。この方法は、複数アカウントを持つ企業が、統一された監視システムを構築する際に非常に有効です。

地域的な利用可能性

この新機能は、Amazon Managed Service for Prometheusが利用可能なすべてのリージョンでサポートされています。これにより、グローバルに展開する企業でも、異なる地域間での監視を効率よく統合することが可能です。

利用用途・ユースケース

– **クロスアカウント監視**: 異なるAWSアカウントで運用されるシステムの統合監視に最適です。
– **組織間コラボレーション**: 複数のチームや部門が共有するリソースを監視するための効果的なソリューションです。
– **分散クラウド監視**: マルチクラウド環境でのメトリクス収集に対応できます。

メリット・デメリット

  • メリット
    • アクセス管理が簡素化され、管理負担が軽減されます。
    • クロスアカウントでのアクセス権限設定が容易になり、セキュリティが強化されます。
    • 異なる地域間での統合された監視が可能です。
  • デメリット
    • 新しいポリシーの設定方法に習熟する必要があります。
    • 設定ミスによるアクセス権限の不適切な付与のリスクがあります。

まとめ

Amazon Managed Service for Prometheusのリソースベースポリシー対応は、クラウドの監視をより柔軟かつ効率的に行うことを可能にします。これにより、複数のAWSアカウント間でのシームレスな監視設定と、アクセス管理の改善が期待されます。この新機能を活用することで、特に大規模なクラウド環境を持つ企業にとって、情報管理の効率化とセキュリティの向上が図れるでしょう。

考察

この発表により、AWSユーザーはより効率的にクラウド資源を管理できるようになります。特に、複数のアカウントを持つ企業にとっては、監視作業の効率化とセキュリティ強化が可能となり、大きなメリットを享受できるでしょう。しかし、適切なポリシー設定が求められるため、運用初期には注意が必要です。この機能を活用して、効果的な監視体制を構築することが重要です。


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