Amazon Kinesis Video Streams WebRTCマルチビューアの新機能について

2025年11月発表

Amazon Kinesis Video Streams WebRTCマルチビューアの新機能について

はじめに

Amazon Kinesis Video Streamsは、動画とオーディオのストリーミングとクラウドベースの保存を可能にするAWSサービスです。このたび、同サービスにWebRTCを活用した「マルチビューア」機能が追加されました。この機能により、リアルタイムのフィードを最大3人の同時ビューアに配信することができ、それぞれが直接音声会話を行うことも可能です。多様なデバイスからのストリーミングをより効率的に、そして多様なシナリオで利用できるよう、この新機能の詳細を見ていきましょう。

概要

Amazon Kinesis Video Streamsが新たに提供するWebRTCマルチビューア機能は、リアルタイムオーディオ・ビデオのストリーミングを複数の同時ビューアに可能にします。この機能は、デバイス側でのコンピュートや帯域幅の利用を増加させずに、最大3名のビューアを受け入れることができます。また、セッション中の音声と映像の録画が可能で、クラウド上でのストレージや解析、再生をサポートします。

詳細解説

WebRTCとマルチビューアの基礎

WebRTC(Web Real-Time Communication)は、ブラウザやアプリケーション内でリアルタイムの音声やビデオ通信を可能にする技術です。今回のアップデートでは、この技術を活用し、Kinesis Video Streamsのストリームを複数のビューアに同時配信することが可能になりました。

セッション録画と解析の改善

新機能では、ストリーミングセッションのビデオとオーディオをクラウドに録画し、後で再生したり、解析に利用したりすることができます。これにより、ホームセキュリティシステムやリモートプロクタリング、ロボット制御センターなどの分野で、データの活用幅が広がります。

新SDKの利用

Amazon Kinesis Video Streams with WebRTC SDKを利用することで、セキュリティカメラ、IoTデバイス、PC、モバイルデバイスからのストリーミングアプリケーションを開発できます。これにより、家庭内カメラのフィードを家族間で共有したり、遠隔監視システムを構築したりといった応用が可能です。

利用用途・ユースケース

1. **ホームセキュリティ**: 家庭内のセキュリティカメラからの映像を家族や特定のグループとリアルタイムで共有。
2. **リモート監視**: 監視システムにおける複数のオペレーター間でのモニタリング。
3. **ロボット操作と監査**: ロボットの動作をリアルタイムで監視し、必要に応じて操作。

メリット・デメリット

  • メリット: コンピュートと帯域幅の効率的な利用、リアルタイムでのコミュニケーション、複数デバイス間での柔軟な連携。
  • デメリット: AWS GovCloud(US)リージョンや中国(北京、Sinnet運営)リージョンでの未対応。

まとめ

Amazon Kinesis Video Streamsの新たなWebRTCマルチビューア機能は、最大3人の同時ビューアに対してリアルタイムで音声と映像をストリーミングすることを可能にする重要なアップデートです。これにより、ホームセキュリティやリモート監視など、さまざまなシナリオでの活用が期待されます。また、リアルタイムの音声会話やクラウドでの録画機能によって、さらなるデータ活用が可能となります。

考察

新機能により、開発者はより柔軟かつ効率的なリアルタイムアプリケーションの構築が可能になりますが、特定のリージョンでの未対応が課題です。今後のエンタープライズ向けアプリケーションや新興市場への展開を考慮すると、この制約の克服が重要となるでしょう。


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