Amazon IVSがインターフェースVPCエンドポイントによるプライベートインジェストをサポート

2025年9月発表

Amazon IVSがインターフェースVPCエンドポイントによるプライベートインジェストをサポート

はじめに

Amazon Interactive Video Service(Amazon IVS)は、リアルタイムなビデオ配信を容易にするAWSのサービスです。この度、Amazon IVSはインターフェースVPCエンドポイントを通じてプライベートにメディアを取り込む機能を提供開始しました。この新機能により、安全にRTMP(S)ストリームの配信を行うことが可能となります。この記事では、この新しい機能の概要と詳細な解説を行い、その利用用途やメリット・デメリットについても触れたいと思います。

概要

Amazon IVSに追加された新機能は、インターフェースVPCエンドポイントを経由したメディアのプライベートインジェストを可能にします。この機能はAWS PrivateLinkによって支えられており、インターネットを介さずに安全に低遅延チャネルやリアルタイムステージへと映像を配信できます。これにより、VPC内部やオンプレミス環境からAmazon IVSへのプライベートで信頼性の高い接続を実現します。

詳細解説

Amazon IVSとは

Amazon Interactive Video Serviceは、ライブビデオストリーミングを簡単に実装できるサービスです。スケーラブルなライブストリーミング機能を迅速に実装できるため、開発者はビデオ配信のインフラストラクチャに悩むことなく、コンテンツの充実に集中できます。

プライベートインジェストの仕組み

今回のアップデートにより、ユーザーはインターフェースVPCエンドポイントを使用して、AWSのインターネットゲートウェイを経由することなく、VPC内またはAWS Direct Connectを利用したオンプレミス環境からAmazon IVSにストリームを提供できます。これにより、ネットワークトラフィックの分離とセキュリティの向上を実現します。

対応リージョン

この機能は、現在、米国西部(オレゴン)、ヨーロッパ(フランクフルト)、ヨーロッパ(アイルランド)のAWSリージョンで利用可能です。各リージョンでのAWS PrivateLink利用時の料金も適用されます。

利用用途・ユースケース

インターフェースVPCエンドポイントによるプライベートインジェストは、以下のような用途でのメリットがあります。

– **高いセキュリティ要件を持つ企業配信:** インターネットを介さないため、データが外部にさらされるリスクを軽減し、情報保護が必要なライブイベントでも安心して利用できます。
– **オンプレミス環境からのライブストリーム配信:** AWS Direct Connectを活用し、低遅延でVPC内のリソースと連携できます。
– **ローカルリージョンでのライブイベント:** 各地域におけるローカルイベントでの高性能なライブストリーミングが可能です。

メリット・デメリット

  • メリット: トラフィックをインターネットから切り離し、高いセキュリティを実現
  • メリット: 低遅延でのライブストリーミングを可能にする
  • メリット: AWS Direct Connectによりオンプレミス環境とのシームレスな連携が可能
  • デメリット: 利用可能なリージョンが限定的
  • デメリット: AWS PrivateLinkに伴う追加料金が発生

まとめ

Amazon IVSの新機能であるインターフェースVPCエンドポイントを使ったプライベートインジェストは、ビデオストリーミングサービスのセキュリティとパフォーマンスを大きく向上させます。ネットワークのセグメント化とAWS Direct Connectによる直結性を活用し、インターネットに依存しない高度なストリーミングが可能です。ただし、利用可能なリージョンの制限や、料金面で考慮すべき点も存在します。

考察

今回の発表により、Amazon IVSはより高度なセキュリティと効率的なネットワーク利用を可能にする強力なツールを提供しました。AWSユーザーにとっては、安全性の高いライブストリーミングの選択肢が広がり、特にセキュリティを重視する企業や、オンプレミス環境を持つ組織には非常に魅力的な機能と言えるでしょう。ただし、利用は特定のリージョンに限定され、その点は考慮が必要です。


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