AWSは、Amazon Interactive Video Service (Amazon IVS) において、マルチトラック動画のサポートを開始しました。この新機能により、ユーザーは複数の動画ストリームを個別に保存できるようになり、データ保存の効率化やコスト削減が可能になります。また、配信やアーカイブの柔軟性が向上し、さまざまなユースケースに対応できるようになりました。
Amazon IVSの新機能の概要
1. マルチトラック動画のサポート
Amazon IVSでは、ライブストリーミング中に複数のトラック(例: メインのビデオ、サブカメラ映像、追加の音声トラックなど)を分離して保存する機能を提供します。これにより、特定のトラックだけを編集、再配信、アーカイブすることが可能です。
2. コスト削減
不要なトラックを保存しない設定が可能なため、ストレージコストを削減できます。特に、動画ファイルの大容量化が課題となる場合、この機能は大きなメリットを提供します。
3. 柔軟な利用用途
保存されたマルチトラックデータを活用して、後から配信内容をカスタマイズできるため、視聴者のニーズに応じた体験を提供できます。
想定される利用用途
- 複数視点のスポーツイベント
- メインカメラと選手別カメラ映像を個別に保存し、視聴者が好きな視点を選択可能に。
- 教育コンテンツ
- 講師映像とプレゼン資料の映像を分離し、再利用や編集が簡単。
- eスポーツトーナメント
- ゲーム画面、選手のリアクション映像、実況解説を別々に管理して、視聴者に多様な視点を提供。
- 企業向けウェビナー
- 発表者映像とスライド資料を分離保存し、再編集やアーカイブ資料の作成を効率化。
- ライブパフォーマンス
- 複数カメラからの映像を別々に保存し、後から編集してダイジェストや特典映像を作成。
メリット
- コスト効率の向上
- 必要なデータだけを保存することで、ストレージコストを削減。
- 編集の柔軟性
- 個別トラックを活用して、配信後に編集や再配信が容易に。
- 配信のカスタマイズ
- 視聴者のニーズに応じた動画配信を実現。
- データ管理の簡素化
- 分離されたデータ構造により、データ操作が直感的に。
- ユースケースの拡大
- 教育、エンタメ、ビジネスなど、幅広い分野で利用可能。
デメリット・課題
- 初期設定の複雑さ
- マルチトラック保存の設定には、一定の技術的な知識が必要。
- ストリーミングの負荷増加
- トラック数が増えると、ライブ配信のネットワーク負荷が高まる可能性。
- 互換性の制約
- 保存されたトラックの形式が他のツールと互換性がない場合、追加の変換作業が必要。
- 運用コスト
- トラックごとのストリーミングには、追加の帯域コストが発生する可能性。
- 視聴者側の要件
- 複数トラックを活用する場合、視聴者側のデバイスやアプリが対応している必要がある。
まとめ
Amazon IVSのマルチトラックサポートは、ライブストリーミングの柔軟性を飛躍的に向上させます。スポーツや教育、エンターテインメントなど、多様なシナリオで活用できるこの新機能は、視聴者体験を高めるだけでなく、運用コストの最適化にも寄与します。
一方で、初期設定や互換性の課題には注意が必要です。特に、大量のトラックを扱う場合は、システム全体の負荷や運用コストを事前に評価することをお勧めします。
詳細は公式ページをご覧ください。