AWSは2024年11月、Amazon Elastic File System (Amazon EFS) において、クロスアカウントレプリケーション機能を導入しました。この新機能により、異なるAWSアカウント間でファイルシステムのデータを自動的かつ継続的に同期できます。これにより、複数アカウント間でのデータ共有や災害復旧プランの構築がより簡単になります。
主な機能
1. クロスアカウント間でのデータレプリケーション
- Amazon EFSのファイルシステムを異なるAWSアカウントのリージョン間で同期可能。
- 高速かつ継続的なレプリケーションにより、データの一貫性を保つ。
2. 自動レプリケーション
- ユーザーが指定したターゲットアカウントとリージョンにデータを自動的に複製。
- レプリケーションのステータスを確認できるダッシュボードも提供。
3. セキュリティとアクセス管理
- IAMポリシーやAWS Organizationsを利用して、アクセス権限を厳密に管理可能。
- データは転送中も保存時も暗号化されるため、セキュリティ面でも安心。
4. シンプルなセットアップ
- 数ステップの簡単な設定でクロスアカウントレプリケーションを有効化。
想定される利用用途
1. マルチアカウント環境のデータ共有
- 大規模な組織で部門ごとにアカウントが分かれている場合でも、データの統合を容易に実現。
2. 災害復旧(DR)
- 異なるアカウントでデータのバックアップを保持し、障害発生時に迅速なリカバリーを実現。
3. グローバルなデータ共有
- リージョン間でのデータレプリケーションを活用し、地理的に離れたチーム間でのデータ共有を効率化。
メリット
1. 運用効率の向上
- 手動でのデータコピーが不要になり、時間とリソースを節約。
2. セキュリティとコンプライアンス強化
- IAMと暗号化によるセキュリティで、データ保護が強化される。
3. データの可用性向上
- 複数アカウントやリージョンでのデータ保持により、システム障害への耐性が強化。
4. 簡単なセットアップ
- 短時間で設定可能なため、技術的ハードルが低い。
デメリット
1. 追加コスト
- データ転送やストレージにかかるコストが増加する可能性がある。
2. 複雑なアクセス管理
- クロスアカウントでのアクセス制御には、正確なポリシー設定が必要。
3. レイテンシーの影響
- 大量のデータを同期する際、ネットワークやシステムの負荷が高まる可能性がある。
まとめ
Amazon EFSのクロスアカウントレプリケーション機能は、特にマルチアカウント環境や分散チームでのデータ管理に効果を発揮します。セキュリティと運用効率を高めながら、複数アカウント間でのデータ共有や災害復旧プランを簡素化します。一方で、運用コストや設定の複雑さといった課題もあるため、利用状況に応じて導入を検討することが重要です。
詳細は公式サイトをご覧ください:
公式サイト: Amazon EFS クロスアカウントレプリケーション