Amazon ECRが新たに提供するアーカイブストレージクラスでコンテナイメージのコスト削減
はじめに
Amazon Elastic Container Registry(ECR)は、Dockerコンテナイメージの保存と共有を容易にするためのサービスです。AWSは新たに、ほとんどアクセスされることのないコンテナイメージのストレージコストを削減するためのアーカイブストレージクラスを導入しました。この機能追加により、ユーザーはアーカイブストレージクラスを利用して、大量のコンテナイメージをコスト効率よく保管できます。本記事では、この新機能について詳しく解説し、その利用用途やメリット・デメリットも考察します。
概要
Amazon ECRは、新しいアーカイブストレージクラスを導入し、大量でありながらアクセス頻度の低いコンテナイメージの保存コストを削減することを可能にしました。このストレージクラスは、コンプライアンスや保存期間の要件を満たしながら、ストレージコストを最適化するのに役立ちます。イメージのアーカイブは、使用パターンに基づいて自動化され、保存、復元プロセスも容易に行えます。
詳細解説
アーカイブストレージクラスの導入
Amazon ECRのアーカイブストレージクラスは、頻繁にはアクセスされないコンテナイメージのための新しい保存オプションです。この新しいクラスは、イメージが最後にプルされた時間に基づいてアーカイブすることができます。これにより、使用パターンに合わせたライフサイクルルールの設定が可能となり、ストレージの効率が向上します。
ライフサイクルルールの設定
ユーザーは、イメージの年齢、数、または最後にプルされた時間を条件に、ライフサイクルルールを設定して自動的にイメージをアーカイブできます。この機能は、ECRコンソールやAPIを通じて個々にイメージをアーカイブすることも可能で、無制限のイメージをアーカイブできます。
イメージの復元と監査
アーカイブされたイメージは、ECRコンソール、CLI、またはAPIを使用して簡単に復元でき、復元までには20分程度かかります。復元後、イメージは通常通りにプル可能です。すべてのアーカイブおよび復元操作は、CloudTrailを通じて監査可能となっており、セキュアな管理が可能です。
地域別の対応状況
新しいECRアーカイブストレージクラスは、すべてのAWS商用リージョンおよびAWS GovCloud(US)リージョンで利用可能です。価格に関しては、AWSの[価格ページ](https://aws.amazon.com/ecr/pricing/)を参照してください。
利用用途・ユースケース
アーカイブストレージクラスは、以下のようなユースケースでの利用が考えられます:
– コンプライアンス目的で長期間のデータ保存が必要な場合。
– 定期的にアクセスする必要はないが、いつでも復元可能なバックアップイメージの保存。
– 開発及びテスト環境のイメージの古いバージョンの保存。
メリット・デメリット
- メリット: ストレージコストの削減が可能で、コンプライアンス要件を満たしながら大量のデータ保存を実現できる。
- メリット: CloudTrailによる操作履歴の監査が可能で、セキュリティと管理が強化される。
- デメリット: アーカイブされたイメージの復元に時間がかかる(最大20分)。
- デメリット: 頻繁なアクセスが必要なイメージには適さない。
まとめ
Amazon ECRの新機能であるアーカイブストレージクラスは、主にアクセス頻度が低いコンテナイメージのストレージコストを効率的に削減するための画期的な機能です。ライフサイクルルールを活用することで、使用状況に応じた効率的なストレージ管理が可能となります。最適化されたコストで、コンテナイメージのライフサイクルを通じた管理を実現できます。
考察
今回のAmazon ECRのアーカイブストレージクラスの導入により、AWSユーザーはストレージコストの最適化と管理効率の向上が見込めます。ただし、アーカイブイメージの復元に一定の時間がかかるため、プルが頻繁に行われるイメージには適さないことに注意が必要です。ユーザーは、用途に応じた適切なストレージオプションを選択することが重要です。
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