Amazon EC2 R8gインスタンスが新たに追加地域で利用可能に

2025年9月発表

Amazon EC2 R8gインスタンスが新たに追加地域で利用可能に

はじめに

本日より、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)のR8gインスタンスがAWSアジアパシフィック(大阪)およびAWSカナダ(中央)地域で利用可能になりました。これにより、これらの地域においてもAWS Graviton4プロセッサによる最大30%の性能改善を享受し、メモリ集約型のワークロードに対応できるようになります。今回のリリースを通じて、ユーザーは新たな技術を活用し、効率的なクラウド環境を構築するための一歩を踏み出すことができます。

概要

Amazon EC2 R8gインスタンスは、AWS Graviton4プロセッサを搭載し、AWSアジアパシフィック(大阪)およびAWSカナダ(中央)地域で利用可能です。この新しいインスタンスは、既存のGraviton3ベースのR7gインスタンスと比較して、最大30%の性能向上を実現。Graviton4ベースのR8gインスタンスでは、データベース、インメモリキャッシュ、リアルタイムビッグデータ分析といったメモリ集約型のワークロードに最適で、AWS Nitroシステムを基盤にした性能とセキュリティの強化が図られています。

詳細解説

AWS Graviton4プロセッサの優位性

AWS Graviton4プロセッサは、従来のGraviton3と比較して、さらに高性能かつエネルギー効率が向上しています。これにより、特定のワークロードでは最大45%の速度向上が実現され、トータルコスト削減が見込まれると同時に、エコフレンドリーなクラウド環境を実現します。

インスタンスサイズと性能スペック

R8gインスタンスは、最大48xlargeのサイズまで提供され、最大1.5TBのメモリと3倍のvCPU数を持つ非常に大規模な構成が可能です。また、ネットワーク帯域幅は最大50 Gbps、Amazon EBSへの帯域幅は最大40 Gbpsを提供することで、パフォーマンスのボトルネックを防ぎます。

性能改善と適用分野

R8gインスタンスは、ウェブアプリケーションでは最大30%、データベースでは40%、大規模Javaアプリケーションでは45%の性能向上が報告されています。この性能向上により、複雑なアプリケーションのスピードが向上し、より迅速なデータ処理が可能です。

利用用途・ユースケース

R8gインスタンスは、特にメモリの大量利用が求められる以下のシナリオで効果を発揮します。
– 大規模データベースのホスティング
– インメモリキャッシングサービス
– リアルタイムビッグデータ解析
– 大規模なJavaアプリケーションの実行環境
– AI/MLモデルのトレーニングおよび実行

メリット・デメリット

  • メリット:
    • 最大30%の性能向上による処理時間の短縮とコスト削減
    • 多様なインスタンスサイズによる柔軟なスケーリング能力
    • エネルギー効率の向上によるサステナブルな運用
  • デメリット:
    • 新しい地域での初期サポートの可能性
    • 既存システムからの移行に関する考慮が必要

まとめ

Amazon EC2のR8gインスタンスは、AWSのGraviton4テクノロジーを活用することで、メモリ集約型ワークロードでの効率を高め、業務パフォーマンスの向上を実現します。新たに追加地域での展開により、多くのユーザーがこの先進的なインフラを利用できるようになり、柔軟なクラウド戦略の構築が進むことが期待されます。

考察

今回のR8gインスタンスの追加地域での展開は、AWSユーザーにとって性能効率の向上と運用コストの削減の両方におけるメリットをもたらします。とりわけメモリ集約型ワークロードを頻繁に実行する企業にとっては、グローバルなデプロイメントが可能になることでさらなる競争優位性が確保される可能性があります。一方で、従来のシステムからの移行を計画する際には、事前の十分な検証と準備が求められるでしょう。


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