Amazon EC2 I8gインスタンスがAWS US East (オハイオ) リージョンで利用可能に
はじめに
AWSは、スケーラブルで柔軟なクラウドコンピューティングを提供することで、多くの企業や開発者から信頼されています。その中でもAmazon EC2は、各種ワークロードに対応する多数のインスタンスを提供しており、最新のI8gインスタンスはその最適化された性能で特に注目を浴びています。I8gインスタンスは、主にストレージ集約型のワークロードに対し、高いパフォーマンスを提供します。今回、これらのインスタンスがAWS US East (オハイオ) リージョンで一般利用可能になったというニュースを受け、その詳細や活用方法について深掘りしていきます。
概要
Amazon EC2 I8gインスタンスは、AWS Graviton4プロセッサを搭載し、前世代のI4gインスタンスに比べて最大60%のコンピューティング性能向上を実現しています。さらに、第3世代AWS Nitro SSDとローカルNVMeストレージを使用し、TBあたり最大65%のリアルタイムストレージ性能の向上と、最大50%のストレージI/Oレイテンシー低減を実現しています。このため、トランザクショナルでリアルタイム、分散型データベースに適したインスタンスとして特にThe best in classの性能を提供します。
詳細解説
I8gインスタンスのパフォーマンス向上
I8gインスタンスに搭載されているAWS Graviton4プロセッサは、同じ処理を行う場合において最大60%の性能向上が見込まれます。これにより、高負荷の計算作業においてもスムーズな処理が可能です。また、第3世代AWS Nitro SSDは、高速なストレージI/Oを実現し、リアルタイム性が重要なアプリケーションにおいて、データアクセスのボトルネックを大幅に解消しています。
利用可能なサイズと仕様
Amazon EC2 I8gインスタンスは、最大48xlargeの大きさまで、10種類のサイズで提供されており、その1つはメタルサイズとなっています。また、1.5TiBのメモリと最大45TBのローカルストレージを持ち、100Gbpsのネットワーク性能、および60GbpsのAmazon Elastic Block Store (EBS)専用帯域幅を提供することで、従来にない高性能な環境を実現しています。
構築における技術的基盤
I8gインスタンスはAWS Nitro Systemを基盤に構築されており、CPUの仮想化、ストレージ、ネットワーキング機能を専用のハードウェアとソフトウェアにオフロードすることにより、パフォーマンスとセキュリティの向上を実現しています。これにより、ベアメタルのようなパフォーマンスを実現しつつ、仮想マシンの利便性も維持しています。
利用用途・ユースケース
I8gインスタンスは、リアルタイムデータベース、NoSQLソリューション、リアルタイム分析プラットフォームなど、ストレージ集約型でI/O集中のワークロードに最適です。MySQLやPostgreSQLから、Aerospike、MongoDB、ClickHouse、Apache Druidといった分散データベースまで幅広く対応可能。さらに、データレイクハウスやAIのLLM前処理など、ディープラーニングを伴う環境でもその能力を発揮します。
メリット・デメリット
- メリット: 高性能なストレージI/Oの提供によるリアルタイムデータ処理の最適化
- メリット: AWS Graviton4プロセッサによる優れたコストパフォーマンス
- メリット: AWS Nitro Systemによる高いセキュリティと低レイテンシ
- デメリット: 対応するAWSリージョンが限定されている
- デメリット: 一部のユースケースでコストが高くなる可能性
まとめ
Amazon EC2 I8gインスタンスが提供する圧倒的なパフォーマンスは、ストレージ集約型ワークロードにおける新たな標準を確立しています。最新のAWS Graviton4プロセッサと第3世代AWS Nitro SSDを活用することにより、これまでのI4gインスタンス比で大幅な性能改善を実現し、企業のIT資産の最適化に大いに貢献します。I8gインスタンスの導入を通じて、さらなる効率化とパフォーマンス向上を図ることが可能になります。
考察
AWS EC2 I8gインスタンスの登場は、高度なストレージ性能を要する企業や開発者にとって非常に魅力的な選択肢となるでしょう。リアルタイムデータ処理や分散データベースの運用が容易になるだけでなく、運用コストの削減やセキュリティの向上といった面でもメリットがあります。しかしながら、その利用地域が限定されているため、グローバル展開を考慮する際にはライブラリの相互運用性や他リージョンでのサポートが必要となるかもしれません。
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