Amazon EC2 I8gインスタンスが追加のAWSリージョンで利用可能に
はじめに
AWSは、最新のAmazon EC2ストレージ最適化I8gインスタンスをヨーロッパ(ストックホルム)およびアジア太平洋(大阪)リージョンにて一般利用可能になったことを発表しました。これにより、ストレージ集約型ワークロードにおいて非常に高い計算性能を提供し、利用者はリアルタイムの低遅延を実現するデータアクセスを可能にします。この記事では、I8gインスタンスの詳細、特徴、およびユースケースについて解説します。
概要
Amazon EC2 I8gインスタンスは、AWS Nitro SSDsを使用し、最大65%のリアルタイムストレージ性能向上、ストレージI/O遅延を最大50%低減する機能を備えたインスタンスです。この新しいインスタンスは、トランザクション処理、リアルタイム分散データベース、データレイクハウス、AI LLMのトレーニング前処理など、I/O集約型のワークロードに最適化されています。I8gインスタンスは全部で10種類のサイズがあり、最大48xlargeサイズ、一部にはmetalオプションもあります。メモリは最大1.5 TiB、ローカルインスタンスストレージは45 TBまで提供され、最大100 Gbpsのネットワーク帯域幅と60 GbpsのAmazon Elastic Block Store(EBS)専用帯域幅を誇ります。
詳細解説
最新のAWS Nitro SSD搭載
I8gインスタンスは、AWSの第三世代Nitro SSDを装備しており、ストレージ性能とI/Oの効率を大幅に向上させています。これにより、データが急速に扱われるシナリオにおいて、ユーザーは常に低レイテンシー、安定したI/Oパフォーマンスを期待できます。
ストレージ性能の向上
I8gインスタンスは、従来のI4gインスタンスと比較して、より良いストレージパフォーマンスを提供します。特にリアルタイム分析プラットフォームやデータ集中型アプリケーションにおいて、急速なデータストレージが可能になることで、アプリケーションのレスポンスが改善されます。
多様なサイズオプションと高いスケーラビリティ
I8gインスタンスは10種類のサイズを選択可能で、これにはmetalバージョンも含まれます。これらのオプションは、さまざまなワークロードやビジネスニーズに適応可能で、高いスケーラビリティを誇ります。
高いネットワークパフォーマンス
最大100 Gbpsのネットワーク帯域幅を提供することにより、データ転送のスループットは最大化され、スケールアウト型のアプリケーションにおいてボトルネックを軽減します。
利用用途・ユースケース
Amazon EC2 I8gインスタンスは、以下の用途に最適です。
- リアルタイムの分散データベース作業(MySQL、PostgreSQL、HBase、NoSQLソリューション)
- リアルタイム分析プラットフォーム(Apache Spark)
- AIのLLM前処理やトレーニング
- データレイクハウスの管理と運用
メリット・デメリット
- メリット:
- ストレージ性能の大幅な向上
- リアルタイムの低遅延アクセス
- 多様なインスタンスサイズとスケーラビリティ
- 高いネットワーク帯域幅
- デメリット:
- 特定のリージョンでのみ利用可能
- コストが他のインスタンスより高い可能性
まとめ
Amazon EC2 I8gインスタンスは、高度なストレージ性能と低遅延を求めるワークロードに対して、最適な選択肢です。最新のAWS Nitroシステム技術を活用することで、ユーザーは高効率かつ安全なコンピューティング環境を享受できます。これにより、I/O集約型ワークロードのパフォーマンスは劇的に向上し、ビジネスのニーズに即応することができます。
考察
今回のAmazon EC2 I8gインスタンスの追加リージョン展開は、AWSユーザーがグローバルでの展開とパフォーマンス最適化を実現するうえで重要なステップとなります。特に、低遅延が要求されるデータ集約型アプリケーションやリアルタイム性が求められるソリューションにとっては、効果的な選択肢となります。ただし、特定リージョンのみでの提供である点には留意が必要です。
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