Amazon EC2 I7ie インスタンスの利用地域拡大について
はじめに
Amazon Web Services(AWS)は、新しいAmazon EC2 I7ieインスタンスをヨーロッパ(ストックホルム)、アジアパシフィック(ジャカルタ)、および北米(カリフォルニア北部)のAWSリージョンで利用可能にしたことを発表しました。このI7ieインスタンスは、大規模なストレージI/O集約型ワークロードに対応するために設計されており、最新の第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサを搭載しています。これにより、前世代のI3enインスタンスと比較して計算性能が最大40%向上し、価格性能も20%向上しました。
概要
Amazon EC2 I7ieインスタンスは、高性能なローカルNVMeストレージを提供し、クラウド上のストレージ最適化インスタンスとしては最高の120TBのローカルストレージ密度を誇ります。これらのインスタンスは、AWSの第3世代Nitro SSDによって強化されており、リアルタイムストレージ性能が最大65%向上し、ストレージI/O待ち時間が最大50%低減しました。加えて、SQLデータベースワークロード向けに、16KBブロックサイズまで対応したトーンライト防止機能が備わっています。
詳細解説
新しいプロセッサの導入
I7ieインスタンスは、第5世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載しており、全コアターボ周波数は3.2 GHzを実現しています。このプロセッサの導入により計算性能が大きく向上し、前世代のI3enインスタンスと比較して40%の性能向上を実現しました。
ストレージ性能の向上
最大120TBのNVMeローカルストレージを提供することで、高密度なストレージを必要とするワークロードに最適な環境を提供します。さらに、第3世代AWS Nitro SSDがデータ転送を加速し、ストレージI/Oの性能を劇的に向上させています。
強化されたネットワークパフォーマンス
I7ieインスタンスは、最大100 Gbpsのネットワーク性能帯域を提供し、Amazon Elastic Block Store(EBS)に対しても60 Gbpsの専用帯域を備えています。これにより、多くのデータ転送を伴うアプリケーションに対して迅速かつ効率的なデータ処理を可能にします。
利用用途・ユースケース
– データベースのワークロードやビッグデータ分析など、ストレージI/Oが重要なアプリケーション。
– 機械学習やデータ湖など、大規模なデータセットを迅速に処理する必要がある場合。
– 映像編集やレンダリングなど、高帯域幅と低レイテンシーを必要とするアプリケーション。
メリット・デメリット
- メリット: 高性能な計算能力とストレージオプションにより、コストパフォーマンスが優れている。
- メリット: 柔軟なサイズオプションにより、さまざまな計算ニーズに対応可能。
- デメリット: 利用するリージョンが限定されているため、必ずしも全ユーザーに最適とは言えない。
- デメリット: 新しい技術導入に伴う移行や設定の手間がある。
まとめ
Amazon EC2 I7ieインスタンスは、AWSが提供する最新の技術革新を活用したものであり、特に大規模なストレージI/O集約型のワークロードに最適です。その性能向上とコスト効率の高さから、多くのAWSユーザーにとって魅力的な選択肢となります。ただし、利用リージョンの制限に留意しつつ、自身の利用ケースに最適かどうかを検討することが重要です。
考察
この新たなI7ieインスタンスの発表は、AWSユーザーにとって計算性能とストレージ性能の両方を必要とする高負荷ワークロードをより効率よく処理する機会を提供します。特に、データ集約型のアプリケーションにおいて、その優れた性能とコスト効率は大きなメリットとなるでしょう。ただし、リージョンの制限があるため、地理的な制約に注意が必要です。
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