Amazon EC2 I7i インスタンスがAWSヨーロッパ(スペイン)リージョンで利用可能に
はじめに
Amazon Web Services(AWS)の新しいインスタンス、Amazon EC2 I7iがヨーロッパのスペイン地域で利用可能になりました。この発表は、ストレージ最適化されたインスタンスの進化を示すものであり、多くのAWSユーザーにとっては注目のニュースです。I7iインスタンスは、第5世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを使用し、リアルタイムのストレージパフォーマンスと非常に高いランダムIOPS性能を提供します。本記事では、この新しいインスタンスについて詳しく解説し、具体的なユースケースとそのメリット・デメリットについて考察します。
概要
AWSは、ストレージ最適化された高性能なAmazon EC2 I7iインスタンスをヨーロッパ(スペイン)リージョンで利用可能にしたことを発表しました。このインスタンスは、第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、オールコアターボ周波数3.2 GHzを持ち、前世代のI4iインスタンスと比べて最大23%の計算パフォーマンス向上と10%以上の価格性能向上が実現されています。また、第三世代のAWS Nitro SSDによって、最大45TBのNVMeストレージを提供し、リアルタイムのストレージパフォーマンスが50%向上、ストレージI/O待ち時間が50%低下、ストレージI/O待ち時間の変動が60%低下しています。
詳細解説
I7iインスタンスの技術的優位性
I7iインスタンスは、最新のIntel Xeonプロセッサを搭載しており、そのオールコアターボ周波数は3.2 GHzです。これによって、計算パフォーマンスが大幅に向上しています。前世代のI4iインスタンスと比較して、最大23%の計算パフォーマンス向上が見込まれ、コスト効率も10%以上改善されています。
ストレージ性能の向上
第三世代のAWS Nitro SSDにより、I7iインスタンスは最大45TBのNVMeストレージを提供します。このストレージは、リアルタイムでのアクセスが求められるワークロードに最適化されており、ストレージI/O待ち時間とその変動が大幅に改善されています。具体的には、ストレージI/O待ち時間が最大50%低減し、変動も60%減少しています。
ネットワークとEBS帯域幅
I7iインスタンスは、100Gbpsのネットワーク帯域と60GbpsのAmazon Elastic Block Store (EBS)帯域幅を提供します。これにより、データ転送のボトルネックを解消し、高速で効率的なデータ処理が可能になります。
インスタンスサイズの多様性
このインスタンスは11種類のサイズで提供されており、9つの仮想サイズ(最大48xlarge)と2つのベアメタルサイズがあります。この多様なサイズ展開により、ユーザーは自分たちのワークロードに最適なインスタンスを選択することができ、コスト効率を最大化することができます。
利用用途・ユースケース
I7iインスタンスは、I/O集約型でレイテンシに敏感なワークロードに最適です。具体的には、以下のような用途に利用できます。
– データベースのパフォーマンスボトルネックを解消するための高速ストレージアクセス
– 大量のデータを処理するリアルタイム分析アプリケーション
– 高トランザクションなオンラインゲームサーバー
– ストリーミングおよびメディア処理エンジン
メリット・デメリット
- メリット: 高い計算パフォーマンスとストレージのI/O効率を提供
- メリット: 多様なインスタンスサイズと柔軟な拡張性
- メリット: ストレージとネットワーク帯域幅の強化によるデータトランスファーの効率化
- デメリット: 新しい技術の採用による初期設定の複雑さ
- デメリット: 高パフォーマンスを活かすユースケースが限定される可能性
まとめ
Amazon EC2 I7iインスタンスがAWSヨーロッパ(スペイン)地域で提供されることで、ユーザーはより高い性能とコスト効率を享受することができます。特に、I/O集約型アプリケーションやレイテンシに敏感なワークロードにおいて、その優位性が際立ちます。従来のインフラストラクチャを超えて、より高い効率を求める企業にとっては、非常に有益なオプションとなるでしょう。
考察
この新しいI7iインスタンスのリリースは、AWSユーザーにとって大きなアドバンテージとなります。特に、データ処理が重要なワークロードを抱える企業にとっては、そのパフォーマンスと効率の向上により、大きな競争力を獲得できます。しかし、導入に際しては組織内の技術的理解と用途に応じた適切な構成が要求されるため、計画的な実装が鍵となります。
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