Amazon EC2 I7iインスタンスが追加のAWSリージョンで利用可能に

2025年11月発表

Amazon EC2 I7iインスタンスが追加のAWSリージョンで利用可能に

はじめに

Amazon Web Services(AWS)は、ストレージ最適化されたAmazon EC2 I7iインスタンスが、アジア太平洋(メルボルン、ムンバイ、大阪)と中東(UAE)の各リージョンで利用可能になったと発表しました。これらの新しいI7iインスタンスは、5世代目のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、従来のI4iインスタンスと比較して、計算性能が最大23%向上し、価格性能比も10%以上改善されています。本記事では、これらのインスタンスについて詳細に解説し、どのような状況や業務に役立つかを掘り下げていきます。

概要

Amazon EC2 I7iインスタンスは、高性能ストレージが求められるワークロード向けに設計された新しいインスタンスです。これらは、第五世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを採用しており、NVMeストレージの容量を最大45TBまで提供します。I7iインスタンスは、特にランダムIOPS性能を必要とするI/O集約型、かつレイテンシーに敏感なワークロードに最適です。

詳細解説

高性能プロセッサとストレージ

I7iインスタンスは5世代目のIntel Xeon Scalableプロセッサを搭載しており、全コアのターボ周波数は3.2 GHzです。これにより、前世代のI4iインスタンスに比べ、最大23%の計算性能の向上が実現されています。また、第3世代AWS Nitro SSDsは、大容量かつ速度の速いNVMeストレージを提供し、リアルタイムのストレージ性能を大幅に向上させます。

ストレージ性能の向上

I7iインスタンスは、I4iインスタンスと比べて最大50%の低いストレージI/Oレイテンシと、最大60%のレイテンシ変動の低減を実現しています。つまり、データアクセスの速度と一貫性が大きく改善されました。また、トーンライト防止機能が最大16KBのブロックサイズをサポートし、データベースの性能ボトルネックを排除します。

サイズとネットワーク性能

I7iインスタンスは、仮想サイズが9種類、ベアメタルサイズが2種類の合計11サイズで提供され、最大100Gbpsのネットワーク帯域幅と60GbpsのAmazon Elastic Block Store(EBS)帯域幅を誇ります。これにより、大規模なデータ転送や高スループットを必要とするアプリケーションにおいても、卓越した性能を発揮します。

利用用途・ユースケース

I7iインスタンスは、以下のようなシナリオにおいて特に有効です。
– 金融サービス:トランザクションレイテンシが重要なトレーディングアプリケーション
– ゲーム業界:リアルタイム処理が求められるオンラインゲームやeスポーツ
– ビッグデータ解析:瞬時のデータ処理が必要なビッグデータアプリケーション
– 科学研究:大量データを扱うシミュレーションや分析

メリット・デメリット

  • メリット:高いランダムIOPS性能、低レイテンシ、コスト効率が向上、柔軟なインスタンスサイズ
  • デメリット:特定のリージョンのみの提供、既存インフラとの互換性問題の可能性

まとめ

Amazon EC2のI7iインスタンスは、高い計算能力とストレージ性能を兼ね備えており、I/O集約型のアプリケーションに対して極めて有効なソリューションです。特に、多くのトランザクションを迅速かつ安定的に処理する必要がある場合、I7iインスタンスの導入により、性能向上を実現できます。AWSはこの新しいインスタンスを導入することで、さらに多様な利用ニーズに応えることが可能になりました。

考察

Amazon EC2のI7iインスタンスの提供開始は、AWSユーザーに対してさらなる選択肢を提供します。特に、ストレージ性能の向上や計算能力の向上は、データ主導のビジネス戦略を持つ企業にとって大きな利点となるでしょう。しかし、新しい技術導入に伴う既存インフラとの統合や、適切なリージョンでのデプロイメントのコスト計算は注意が必要です。


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