Amazon EC2 C8gd、M8gd、R8gdインスタンスがヨーロッパ(スペイン)およびアジアパシフィック(東京)で利用可能に
はじめに
2025年5月、AWSはAmazon EC2のC8gd、M8gd、R8gdインスタンスの提供を新たにヨーロッパ(スペイン)およびアジアパシフィック(東京)のリージョンで開始しました。これらの新しいインスタンスは、AWS Graviton4プロセッサを搭載し、前世代のGraviton3インスタンスと比較して30%の性能向上を実現しています。本記事では、これらのインスタンスの概要、詳細な技術的利点、および利用ケースを探ります。
概要
Amazon EC2の新しいC8gd、M8gd、R8gdインスタンスは、最大11.4TBのNVMeベースのSSDローカルストレージを備え、I/O集約型データベースやリアルタイムデータ分析のための強力なパフォーマンスを提供します。これらのインスタンスは既にアメリカのいくつかのリージョンで利用可能であり、今回、新たにスペインと東京のリージョンでも利用が可能になりました。AWSのNitro System上に構築され、高速で低レイテンシーのローカルストレージにアクセスが必要なアプリケーションに最適です。
詳細解説
Graviton4プロセッサの性能
C8gd、M8gd、R8gdインスタンスは、AWSの最新Graviton4プロセッサを搭載しており、前世代のGraviton3プロセッサに比べて最大30%の性能向上を実現しています。これは特にI/O集約型のデータベースワークロードで最大40%の高性能を発揮し、リアルタイムデータ分析においてはクエリ結果の速度が最大20%向上しています。
ネットワークとストレージ性能
これらのインスタンスは、ネットワーク帯域幅最大50Gbps、Amazon EBSへの帯域幅最大40Gbpsを提供します。また、新機能としてEC2インスタンスの帯域幅ウェイト設定を調整することで、ネットワークやEBSの帯域幅を25%まで変えることが可能になり、より柔軟にワークロードの最適化を実現します。
Elastic Fabric Adapter (EFA)のサポート
C8gd、M8gd、R8gdインスタンスは特定のサイズ(24xlarge、48xlarge、metal-24xl、metal-48xl)でElastic Fabric Adapter (EFA) ネットワーキングをサポートしており、高性能計算や機械学習などの分野でのアプリケーションを支援します。
利用用途・ユースケース
– 大規模データベースの処理
– リアルタイムデータ分析アプリケーション
– 機械学習と高性能計算ワークロード
– データキャッシュや分散処理システム
メリット・デメリット
- メリット:
- AWS Graviton4による性能向上
- 高いI/O処理能力とクエリ速度
- 帯域幅の調整によるフレキシビリティ
- デメリット:
- 最新技術導入に伴う初期設定のコストと時間
- 既存の非対応アプリケーション環境での移行時の困難
まとめ
C8gd、M8gd、R8gdインスタンスの導入により、より高性能で効率的なEC2の利用が可能になりました。地域を越えてグローバルな利用を想定した場合でも、スペインと東京での新たな提供は、多様なビジネスの需要に応えるものです。AWSの新技術の恩恵を最大限に活用するために、これらのインスタンスは、最適な選択肢となるでしょう。
考察
Amazon EC2 C8gd、M8gd、R8gdインスタンスの拡張は、ますます逼迫するクラウドリソースの需要を満たすものです。とりわけ、I/O集約型のアプリケーションを迅速かつ効率的に処理する必要があるビジネスにとっては大きなメリットとなります。一方で、最新の技術を利用するための学習や最適化は避けられないため、その準備が必要です。
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