AWSは2024年11月、アジアパシフィック(マレーシア)リージョンでAmazon EC2 C7i-flexおよびM7i-flexインスタンスの提供を開始しました。この新しいインスタンスは、最新の第4世代インテルXeonスケーラブルプロセッサ(Sapphire Rapids)を搭載し、他のクラウドプロバイダーの同等プロセッサと比較して最大15%の性能向上を実現しています。さらに、コスト効率も大幅に改善され、柔軟なリソース利用が可能です。
C7i-flexおよびM7i-flexインスタンスの概要
これらのインスタンスは、一般的なサイズ(largeから8xlargeまで)で提供され、次の特徴を持っています:
主な特徴
- 最新のプロセッサ:
- AWS専用の第4世代インテルXeonスケーラブルプロセッサを採用。
- 他のクラウドプロバイダーと比較して、最大15%の性能向上。
- 価格性能比の向上:
- 従来のC6iおよびM6iインスタンスと比較して最大19%のコスト効率向上。
- 柔軟なスケーリング:
- さまざまなワークロードに対応可能な12種類のインスタンスサイズ。
- 多様なユースケース対応:
- ウェブサーバー、アプリケーションサーバー、バッチ処理、データベース、キャッシュなどに最適。
- AWS Nitro Systemの採用:
- ハードウェアレベルでのセキュリティと高い性能を提供。
想定される利用用途
- ウェブアプリケーション:
- トラフィックが変動するウェブサイトやアプリケーションのホスティングで、リソース使用率に応じたスケーリングが可能。
- 仮想デスクトップ:
- ユーザー数に応じてリソースを動的に割り当てることで、コストとパフォーマンスを最適化。
- バッチ処理:
- 一時的に高い計算能力が必要なジョブに対応し、ピーク需要を効率的に処理。
- データベースとキャッシュ:
- 中負荷から高負荷のデータベースやキャッシュシステムのホスティングで、高性能と低コストを実現。
- マイクロサービス:
- リソース使用率が一定でないサービスをデプロイする際の効率化に寄与。
メリット
1. 高性能と柔軟性
最新のインテルプロセッサを採用し、ワークロードに応じた柔軟なリソース割り当てが可能です。
2. コスト効率の向上
価格性能比が最大19%向上し、予算内でより高い性能を得られます。
3. 多用途対応
ウェブアプリケーションからバッチ処理、データベースホスティングまで、多様なユースケースに対応可能。
4. セキュリティ強化
AWS Nitro Systemにより、セキュリティと性能のバランスを最適化。
デメリット
1. インスタンスサイズの制限
C7i-flexおよびM7i-flexインスタンスは、largeから8xlargeまでの範囲で提供されており、より大きなリソースが必要なワークロードには不向きです。
2. 高負荷ワークロードには不適
継続的に高いCPU使用率を必要とするワークロードでは、標準的なC7iおよびM7iインスタンスの方が適している場合があります。
3. 地域限定
現時点では、アジアパシフィック(マレーシア)リージョンでのみ利用可能。他のリージョンでは利用できません。
利用方法
1. インスタンスの選択と起動
AWS Management ConsoleからC7i-flexまたはM7i-flexインスタンスを選択し、起動します。
2. ワークロードの最適化
既存のアプリケーションを最新のインスタンスに移行し、リソース使用率を最適化します。
3. コストとパフォーマンスのモニタリング
AWS Cost ExplorerやCloudWatchを使用して、コストとパフォーマンスを追跡します。
詳細は、AWS EC2インスタンスタイプページをご覧ください。
まとめ
Amazon EC2 C7i-flexおよびM7i-flexインスタンスは、最新のインテルプロセッサとAWS Nitro Systemを活用し、柔軟性と高性能を兼ね備えたコスト効率の良いクラウドリソースを提供します。これらのインスタンスは、リソース使用率が変動するワークロードや一般的なクラウドアプリケーションに最適です。ただし、特定の地域での提供やインスタンスサイズの制限があるため、適切な計画の下で利用を開始することをおすすめします。
詳細は、公式発表ページをご覧ください。