Amazon EC2がCPUパフォーマンス属性でのインスタンスタイプ選択をサポート!リソース最適化がさらに簡単に

2024年11月発表

AWSは2024年11月、新たにCPUパフォーマンス属性をAmazon EC2の**属性ベースのインスタンスタイプ選択(ABIS)**に追加しました。この新機能により、特定のCPU性能を基準に最適なインスタンスタイプを自動で選択できるようになり、キャパシティ管理やリソース効率がさらに向上します。


CPUパフォーマンス属性の概要

Amazon EC2のABIS機能では、これまでvCPU数やメモリ量といったリソース条件を指定することでインスタンスタイプを選択可能でした。しかし、今回の新機能では、特定のインスタンスファミリー(例:C6iやM5など)を基準に、同等以上のCPUパフォーマンスを持つインスタンスタイプを選択可能になりました。これにより、次のような選択が自動化されます:

  1. インスタンスタイプの柔軟な選択
    • ユーザーは特定のCPU性能を基準に複数のインスタンスタイプをリストアップ可能。
    • 例:C6iファミリーと同等以上の性能を持つインスタンスタイプを選択。
  2. マルチインスタンスオプションの活用
    • スポットインスタンスやEC2 Auto Scalingでの複数インスタンスタイプの選択を最適化。
  3. パフォーマンスの一貫性を確保
    • すべてのインスタンスが指定した性能基準を満たすため、アプリケーションの信頼性を確保。

想定される利用用途

1. スポットインスタンスの運用

スポットインスタンスを利用する際、複数のインスタンスタイプから選択することで、キャパシティ不足のリスクを軽減。特に、複数ファミリーを利用して割り込みが発生しにくい構成を実現。

2. マルチリージョンでのAuto Scaling

リージョンごとに異なるインスタンスタイプが利用可能な場合でも、パフォーマンス要件に基づいて選択できるため、キャパシティプランニングが効率化。

3. データ処理や分析ワークロード

CPU性能が重要なデータ処理やリアルタイム分析システムで、パフォーマンスを最適化しながらコストを管理。

4. ハイブリッド環境での互換性維持

オンプレミス環境とクラウド間で性能を一致させる必要があるワークロードで、パフォーマンスギャップを最小化。


メリット

1. リソース効率の向上

特定のCPUパフォーマンス要件に基づいてインスタンスタイプを自動で選択することで、過剰なリソースを割り当てるリスクを削減。

2. キャパシティ確保が容易

マルチインスタンスタイプ対応により、必要なキャパシティを確保しやすくなり、リソース不足のリスクを低減。

3. コスト効率の向上

適切なインスタンスタイプの選択で、パフォーマンスを維持しながらコスト削減が可能。

4. 設定の簡素化

CPUパフォーマンスという抽象的な基準を指定するだけで、最適なインスタンスタイプを選択可能。


デメリット

1. 設定の複雑化

CPUパフォーマンス属性の設定を正確に行う必要があり、設定ミスが発生するとパフォーマンス不足や過剰コストの原因となる。

2. 可用性の制約

インスタンスタイプの選択肢が限定される場合、特定のリージョンやアベイラビリティゾーンでのキャパシティ確保に影響を与える可能性。

3. 学習コスト

新しい属性の活用方法や最適な設定を学習するためのトレーニングが必要。


利用方法

  1. 設定ファイルの更新
    • EC2 Auto ScalingやEC2 Fleetの設定で、CPUパフォーマンス属性を追加。
    • 例:InstanceRequirementsセクションでBaselinePerformanceForC6iを指定。
  2. 複数インスタンスタイプのリストアップ
    • パフォーマンス基準を満たす候補インスタンスを指定し、柔軟なキャパシティ確保を実現。
  3. パフォーマンスモニタリング
    • 選択されたインスタンスタイプのパフォーマンスをCloudWatchでモニタリングし、要件を満たしているか確認。

詳細な設定手順は、AWS公式ドキュメントをご参照ください。


まとめ

Amazon EC2の新しいCPUパフォーマンス属性は、リソース効率とコスト最適化を実現する強力なツールです。スポットインスタンスの運用やAuto Scaling環境でのキャパシティ管理を効率化し、特定のパフォーマンス要件に基づいてインスタンスタイプを柔軟に選択できます。一方で、設定や運用には十分な検討が必要です。

詳細は、公式発表ページをご覧ください。

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