Amazon EC2のI7iインスタンスが追加のAWSリージョンで利用可能に
はじめに
Amazon Web Services(AWS)は、ストレージに最適化された新しいAmazon EC2 I7iインスタンスのさらなるリージョンへの展開を発表しました。これにより、ヨーロッパ(アイルランド)、アジアパシフィック(ソウル、香港)のAWS地域で高性能なインスタンスが利用可能になります。I7iインスタンスは第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサを搭載し、前世代のI4iインスタンスに比べて計算能力やストレージ性能が向上しています。この新しい展開がもたらす利点とその利用方法について詳しく見ていきましょう。
概要
Amazon EC2 I7iインスタンスは、特にI/Oが多く、レイテンシーに敏感なワークロードに適したインスタンスとして設計されています。第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサにより23%以上の計算パフォーマンスの向上とともに、AWS Nitro SSDの第3世代ストレージが使用され、より優れたI/O性能を発揮します。最大45TBのNVMeストレージを提供し、最大100Gbpsのネットワーク帯域幅と60GbpsのAmazon EBS帯域幅を持つI7iインスタンスは、多岐にわたる用途で活躍が期待されます。
詳細解説
性能の向上点
I7iインスタンスは、前世代のI4iインスタンスに比べて23%の計算性能の向上と10%以上の価格性能の改善を実現しています。これは全コアで3.2 GHzのターボ周波数を持つ第5世代のIntel Xeon Scalableプロセッサの活用によるものです。
ストレージ性能
第3世代のAWS Nitro SSDが採用されており、リアルタイムストレージ性能は最大で50%向上し、ストレージI/Oのレイテンシーは最大50%削減されています。また、ストレージI/Oのレイテンシーの変動性も最大60%低減されています。
ネットワークとEBS帯域幅
I7iインスタンスは、最大100Gbpsのネットワーク帯域幅と60GbpsのAmazon EBS帯域幅を提供し、大規模なデータ転送やストレージへの高速アクセスを可能にしています。
情報損失防止機能
I7iインスタンスは、データベースの性能ボトルネックを解消するために、16KBまでのブロックサイズをサポートし、トーンライトの予防機能を備えています。
サイズの選択肢
このインスタンスは、11種類のサイズで利用可能で、仮想サイズは最大48xlarge、さらに2つのベアメタルサイズが提供されています。
利用用途・ユースケース
I7iインスタンスは、高いランダムIOPS性能を必要とするI/O集約型ワークロードや、低レイテンシーでの中小規模データセットへのアクセスが求められるアプリケーションに最適です。具体的には、次のようなユースケースがあります:
– オンライン取引プラットフォーム
– 大規模データ分析
– ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)環境
– データベースの負荷分散とスケーリング
メリット・デメリット
- メリット
- 高い計算性能とストレージ性能を提供
- 拡張されたネットワークとEBS帯域幅で高速データ転送が可能
- 広範囲のサイズと構成オプション
- デメリット
- 高性能ゆえにコストが高くなる可能性がある
- 利用するリージョンが限定的である
まとめ
Amazon EC2のI7iインスタンスの展開により、AWSユーザーは高度なI/O性能とレイテンシー削減を実現することができます。このインスタンスは、高い計算能力と優れたストレージ能力が求められるアプリケーションに最適です。特に、I/O集約型のワークロードを持つ企業は、この機会を活用することで、更なる成功を収めることができるでしょう。
考察
Amazon EC2のI7iインスタンスの追加リージョンでの利用可能性は、特にヨーロッパとアジアパシフィック地域のユーザーにとって大きな利点です。これによって、地域でホストされているアプリケーションは、更なる性能向上とコスト効率の改善を享受でき、地元の市場やユーザーの要求により迅速に対応できます。ただし、高性能に伴うコスト管理にも注意が必要です。
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