2024年11月、AWSは**Amazon Elastic Block Store(EBS)**に新たな機能「Time-based Copy」を追加しました。この機能により、スナップショットのコピー完了時間を柔軟に指定できるようになり、災害復旧(DR)、データ移行、コンプライアンス要件におけるデータ管理がさらに効率化されます。
Amazon EBSのTime-based Copyとは?
Time-based Copyは、EBSスナップショットのコピー操作で完了時間を15分から48時間の範囲で指定できる機能です。データ移行やバックアップ計画の時間管理が可能となり、予測可能性と運用の効率性が大幅に向上します。
主な特徴
1. 時間指定の柔軟性
- 完了時間を15分から48時間まで、15分単位で設定可能。
- 時間指定に基づきデータコピーを高速化または分散実行。
2. モニタリングの強化
- Amazon EventBridgeやCloudWatchメトリクス(SnapshotCopyBytesTransferred)で、コピー進行状況をリアルタイムで監視。
3. 多様なユースケースに対応
- 災害復旧計画(DR)
- 異なるAWSリージョンやアカウント間でのデータ移行
- コンプライアンスや監査対応のデータ保管
想定される利用用途
1. 災害復旧(DR)
企業の事業継続計画(BCP)において、重要なデータのスナップショットコピーを確実に指定した時間内で完了させることで、復旧時間目標(RTO)と復旧時点目標(RPO)の要件を満たします。
2. データ移行
AWSリージョン間やアカウント間のデータ移行時にコピー時間を指定することで、計画的な移行を実現。異なるタイムゾーンやビジネスプロセスへの影響を最小限に抑えます。
3. コンプライアンス遵守
規制要件や監査対応に必要なデータのコピー完了時間を確実に管理。例えば、データ保管規制の期限を守るための計画的なコピーが可能です。
メリット
1. 運用計画の精度向上
完了時間の予測が可能となり、ビジネスプロセスへの影響を最小限に抑えたデータ運用が可能。
2. 柔軟な対応
スナップショットのコピー速度を調整することで、業務優先度やデータ量に応じた柔軟なリソース利用が実現。
3. 高度な監視と制御
リアルタイムのモニタリングにより、進捗状況を正確に把握し、問題発生時の迅速な対応が可能。
デメリット
1. コスト増加の可能性
短い時間内でコピーを完了させる場合、高速コピーのために追加のコストが発生する可能性があります。
2. 設定の複雑化
データ量やコピーの優先順位に基づき、最適な設定を行うには事前の検討と計画が必要です。
料金
コピー速度に応じた料金体系が採用されています。
- **高速コピー(例:15分以内)**の場合、1GBあたりのコストが増加。
- **低速コピー(例:48時間)**ではコストが削減。
料金の詳細はAWSの公式ページをご確認ください。
公式サイトのリンク
詳細情報は、AWSの公式発表ページをご覧ください。
まとめ
Amazon EBSの「Time-based Copy」機能は、スナップショットコピーの完了時間を細かく制御できるようにし、災害復旧やデータ移行、コンプライアンス遵守といった多様な用途での活用が期待されます。特に、事業継続計画やクラウドデータ管理の効率化を目指す企業にとって、大きな価値をもたらすアップデートと言えるでしょう。