Amazon CloudWatch RUM、アジアパシフィック(マレーシア)とカナダ西部(カルガリー)で利用可能に

2025年7月発表

Amazon CloudWatch RUM、アジアパシフィック(マレーシア)とカナダ西部(カルガリー)で利用可能に

はじめに

AWSの進化は止まるところを知らず、ユーザーにより高度なツールと機能を届け続けています。このたび、新たにAmazon CloudWatch RUMが2つのAWSリージョンで一般提供されることとなりました。このサービスは、ウェブアプリケーションのクライアントサイドのパフォーマンスやエラーをリアルタイムで監視できる強力なツールです。この記事では、この新しい展開の詳細を解説し、利用者にとっての利点や考慮すべきポイントを詳しく紹介します。

概要

Amazon CloudWatch RUMは、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、アプリケーションのクライアントサイドのパフォーマンスやエラーをリアルタイムで収集、監視するためのツールです。今後はアジアパシフィック(マレーシア)とカナダ西部(カルガリー)のAWSリージョンでもこのサービスが利用可能となり、より多くの地理的地域でユーザーエクスペリエンスの向上に寄与することが期待されます。

詳細解説

Amazon CloudWatch RUMの機能

Amazon CloudWatch RUMはウェブアプリケーションの現実のエンドユーザーが体験するパフォーマンスを監視するためのダッシュボードを提供します。これには、ページロードの異常、コアウェブバイタル、JavaScriptおよびHTTPエラーといった項目が含まれ、異なる地理的地域、ブラウザ、デバイス間のパフォーマンスを分析します。

カスタムイベントとメトリクス

ユーザーはCloudWatch RUMに送信するカスタムイベントやメトリクスを簡単に設定できます。これにより、アプリケーションの特定の部分を監視し、ユーザーの実際の操作を解析、問題のトラブルシューティングや異常に対するアラートサービスを受けることが可能です。

CloudWatch Application Signalsとの統合

CloudWatch RUMは、CloudWatchのアプリケーションパフォーマンス監視機能であるCloudWatch Application Signalsと統合されています。これにより、クライアントサイドのデータとAPIやサービスオペレーションで観測されたエラー、障害、レイテンシーといったパフォーマンスメトリクスを関連付け、ルートコーズを特定することが容易になります。

利用用途・ユースケース

Amazon CloudWatch RUMはさまざまなシナリオで活用可能です。特に注力すべきは以下のユースケースです:

– ウェブアプリケーションのパフォーマンス向上: ユーザーが直面する具体的な問題を特定し、体験の質を改善します。
– エラー解析とリアルタイム分析: リアルタイムでエラーを観察し、迅速に対応策を講じることができます。
– 地域ごとのパフォーマンス比較: 異なる地理的条件におけるユーザー体験の差異を明らかにします。

メリット・デメリット

  • メリット
    • リアルタイムでの問題の可視化と迅速な対応が可能
    • カスタマイズ可能なメトリクスとアラートで詳細な分析が可能
    • CloudWatch Application Signalsとの統合によるルートコーズ分析の効率化
  • デメリット
    • 利用料金が収集されたRUMイベントの数に基づくため、コストが増加する可能性
    • 追加の設定とメンテナンスが必要

まとめ

Amazon CloudWatch RUMのリージョン拡大により、さらに多くのユーザーがこの強力な監視ツールを利用できるようになりました。このサービスは、アプリケーションのパフォーマンスを改善し、迅速なトラブルシューティングを可能にすることで、最終ユーザーにより優れた体験を提供します。特にリアルタイムでの監視とCloudWatch Application Signalsとの統合は、開発者にとって非常に有用な機能です。

考察

今回のリージョン拡大は、AWSユーザーにとって、より広範な地理的地域でのユーザーエクスペリエンス向上につながるでしょう。特に、マレーシアとカルガリーの利用者が増えることで、これまで以上に多くのユーザーの要求に応えることが可能となります。しかしながら、収集されるイベント数に基づく料金体系については、利用者が注意深く管理する必要があります。


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