2024年12月1日、Amazon Web Services（AWS）は、Amazon Bedrockのナレッジベースにおいて、自動生成クエリフィルター機能を導入しました。この新機能により、ユーザーは複雑なフィルター式を手動で作成することなく、クエリに関連するドキュメントを効率的に取得できるようになります。
アップデートの概要
Amazon Bedrockのナレッジベースは、Retrieval-Augmented Generation（RAG）ワークフローを提供し、ユーザーのデータソースからコンテキスト情報を取り入れた高精度で低遅延、かつセキュアな生成AIアプリケーションの構築を支援しています。今回のアップデートでは、クエリに基づいてドキュメントのメタデータから自動的にフィルターを生成し、関連性の高い情報を迅速に取得できるようになりました。
例えば、「ワシントン州での請求方法」というクエリを入力した場合、システムは自動的に「州：ワシントン」というフィルターを適用し、該当するドキュメントのみを検索します。これにより、ユーザーは手動で複雑なフィルターを設定する手間を省き、必要な情報に迅速にアクセスできます。
この機能は、以下のリージョンで利用可能です：
- 米国東部（バージニア北部）
- 米国西部（オレゴン）
- アジア太平洋（東京）
- アジア太平洋（ソウル）
- ヨーロッパ（フランクフルト）
- ヨーロッパ（チューリッヒ）
- AWS GovCloud（米国西部）
詳細については、公式ドキュメントをご覧ください。
想定される利用用途
- カスタマーサポートの効率化
- 顧客からの問い合わせ内容に基づき、関連する情報を迅速に検索し、適切な回答を提供。
- 社内ナレッジ共有の強化
- 社員が特定のトピックに関する情報を検索する際、自動生成フィルターにより関連性の高いドキュメントを即座に取得。
- 法務・コンプライアンス業務の支援
- 法律や規制に関する特定の条件下の情報を効率的に検索し、業務の正確性を向上。
- 研究開発の情報収集
- 特定の技術や市場動向に関する情報を自動フィルターで絞り込み、必要なデータを迅速に収集。
メリット
- 検索精度の向上：クエリに基づき自動的に適切なフィルターが適用され、関連性の高い情報を効率的に取得可能。
- 操作の簡略化：ユーザーは複雑なフィルター式を手動で設定する必要がなく、直感的な操作で情報検索が可能。
- 時間の節約：必要な情報へのアクセスが迅速化され、業務効率が向上。
- 一貫性の確保：自動生成フィルターにより、検索結果の一貫性が維持され、信頼性の高い情報提供が可能。
デメリット
- フィルターの精度依存：自動生成されるフィルターの精度が低い場合、関連性の低い情報が取得される可能性。
- カスタマイズの制限：自動フィルターに頼ることで、ユーザーが特定の条件での詳細な検索を行う柔軟性が制限される可能性。
- 初期設定の必要性：効果的に機能を活用するためには、ドキュメントのメタデータ設定やナレッジベースの構築が必要。
まとめ
Amazon Bedrockのナレッジベースに追加された自動生成クエリフィルター機能は、情報検索の精度と効率を大幅に向上させる革新的なツールです。これにより、ユーザーは必要な情報に迅速かつ正確にアクセスでき、業務全体の生産性向上が期待されます。ただし、フィルターの精度や初期設定に注意を払い、適切な運用を行うことが重要です。
公式サイトはこちら： Amazon Bedrock ナレッジベースの自動生成クエリフィルター機能について
