Amazon Auroraのクロスリージョングローバルデータベーススイッチオーバーが30秒未満に短縮

2025年5月発表

はじめに

Amazon Auroraは、MySQLやPostgreSQLに対応した高パフォーマンスのクラウドデータベースサービスです。このたび、Amazon Auroraのグローバルデータベース機能が強化され、リージョンをまたぐスイッチオーバー時間が通常30秒未満に短縮されました。この改善により、グローバル規模で展開するアプリケーションの可用性が向上し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能になりました。本ブログでは、この新機能の詳細やその利点について解説します。

概要

Amazon Auroraのグローバルデータベース機能は、単一のAuroraクラスターを複数のAWSリージョンにまたがって展開できるように設計されています。この機能は、リージョン全体の障害に対するディザスタリカバリを提供し、グローバルに分散されたアプリケーションに対して迅速なローカル読み取りを可能にします。このたびのアップデートにより、クロスリージョンでのスイッチオーバー時間が通常30秒未満に短縮され、スイッチオーバー操作後のリカバリータイムとビジネス継続性が向上しました。

詳細解説

Auroraグローバルデータベースとは?

Auroraグローバルデータベースは、単一のAuroraクラスターを複数のAWSリージョンに展開する機能です。これにより、データベースのフェイルオーバー能力が強化され、障害が発生した場合でも迅速なリカバリーが可能となります。

新しいクロスリージョンのスイッチオーバーの仕組み

最新のアップデートによって、スイッチオーバー時間が大幅に短縮されました。このプロセスは、計画されたイベント、例えばリージョンのローテーションなどに対応した完全に管理されたプロセスで、通常の30秒未満で完了します。スイッチオーバーの際には、グローバルクラスター内の書き込みノードが一時的に利用できなくなる時間を短縮することができるため、リカバリータイムが大幅に改善されました。

アップグレードによる機能の利用方法

この機能を活用するには、Aurora MySQLをバージョン3.09(MySQL 8.0.40互換)以上に、Aurora PostgreSQLをバージョン16.8、15.12、14.17、13.20またはそれ以上にアップグレードする必要があります。アップグレード後、追加の設定を行うことなく、この高速スイッチオーバー機能を利用することが可能です。

利用用途・ユースケース

– グローバルに展開するアプリケーションでの可用性の向上
– リージョン全体の障害からの迅速なディザスタリカバリ
– ビジネス継続性の強化
– ローカル読み取りを行うことで、レイテンシーの低下とユーザーエクスペリエンスの向上

メリット・デメリット

  • メリット:
    – スイッチオーバー時間が短縮され、ダウンタイムが最小化
    – グローバルなアプリケーションにおける可用性の向上
    – 複数リージョンにまたがったスケーラブルな展開が可能
  • デメリット:
    – 新機能の利用にはAuroraクラスターを特定バージョン以上にアップグレードする必要がある

まとめ

Amazon Auroraにおけるクロスリージョングローバルデータベースのスイッチオーバー時間短縮は、ビジネス継続性とアプリケーションの可用性を大きく向上させる重要なアップデートです。特に、大規模かつグローバルに展開するアプリケーションにおいては、ダウンタイムを最小限に抑えることができ、ユーザー満足度の向上につながるでしょう。迅速なスイッチオーバーは、企業のIT戦略において重要な役割を果たすことが期待されます。


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